受け継がれる家への想い

この記事は、2020年7月17日に公開したブログのアーカイブ記事です。

執筆:坂本真由(株式会社SOWAKA・代表)

名古屋市や尾張旭市でリフォームやリノベーションを通じて暮らしの提案をしている株式会社SOWAKAの坂本です。

九州を中心に西日本と東日本の広い範囲で甚大な被害をもたらした、「令和2年7月豪雨」

特に被害が大きかった熊本県は私のふるさとでもあります。

毎日のように、「これ以上雨が降りませんように」そう願いながら過ごしていました。

今のところ私の実家は被害が出ていませんが、被害が拡大していく様子がニュースで流れるたびに心が痛くなり、家族や友人に連絡を取り続けました。

被害が出ている地域に住んでいる友人もたくさんいて、友人への久しぶりの連絡が「大丈夫?」という心配のメールになってしまうなんて…と思いながら、離れた地域にいる私は何もすることができないもどかしさでいっぱいでした。

「今年は帰省するから会いたいね」

今頃、そんなメールをするはずだったのに、今年は豪雨やコロナの感染拡大の面からも帰省することは諦め、「雨もコロナも気をつけてね」という内容になってしまうなんて、想像もしていませんでした。

久しぶりに今年は帰省しよう!と決めていた理由の一つとして、実家のキッチンをリフォームをするということで、普段何もしてあげられなかった分、少しでも手伝いたい。

そんな私の想いを組んでくれた主人も二つ返事で帰省すると決めてくれました。

私が産まれる数年前に大工の父が建てた実家は、築38年ぐらいでしょうか。

(画像は私の姪っ子が中学校の写生大会で書いた実家)

増築をしたり、水廻りを少しリフォームしたりと手を加えてきた実家も、キッチンは一度も変えたことがありません。

約38年間、同じキッチンを使い続けました。

数年に一度、帰省する実家のダイニングキッチンは、私が住んでいた頃のまま。

昔のことを思い出しながら過ごす帰省が楽しみでもありました。

薪を燃やしお湯を沸かしていたお風呂は、15年前にエコキュートになり、今では「お湯が沸きました」と教えてくれます。笑  

なんて便利なのでしょう。

あんなに苦労した幼少期は何だったんだ!と今では懐かしい思い出です。

私は、福岡にある専門学校に行きたいと心に決めた高校2年生のとき、

「将来この実家を7階建てにしてあげるけん!(熊本弁)」

と両親に必死にお願いし、建築の道に進ませてもらいました。

え?実家は、まだ2階建てのままです…笑

父からは「いつ7階建てになると?」と言われています。

実家がリフォームをすると決めたとき、こうしたらどうかな?と頭だけは使えるのではないかと思っていたからこそ、今年の帰省が叶わず、とても残念でいます。

私の姉夫婦と子ども達が、私の両親と同居してくれているので、両親のことは安心してお願いできていますが、「あの家もあとどれぐらい住めるのだろう」そう思うことも。

我が家も築43年の中古住宅を購入し、リノベーションをして住んでいるので、私の実家も建物と上手に向き合いながら暮らしていけば、長く受け継ぎながら住んでいけるのではないかという気持ちでいっぱいです。

自分が育ってきた家にはたくさんの思い出があるからこそ、可能な限り受け継がれていってほしいと感じています。


最新の施工事例に載せさせていただいた「もう一度住みたい家」


こちらのお客様は空き家となっていたご主人のご実家をフルリノベーションしてお住まいになられています。

環境は違えど、ご実家を受け継ぎながら住まわれるご夫婦の想いに、私は嬉しくなりました。

空き家問題が深刻化となっている現代においても、人の想いで受け継がれる建物も増えてほしいと願っています。


最後に…

豪雨災害で亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げるとともに、住まいと日常生活を奪われた方に心よりお見舞い申し上げます。

未だ警戒を緩められない状態の地域もたくさんあります。

どうかこれ以上の被害が広がらないようにと心から祈るばかりです。

この状況が落ち着いた頃に実家に帰省し、7階建てにはできませんが(笑)リフォームを手伝いたいと思っています。

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