営繕ができなくなった工務店の理由1
この記事は、2015年9月6日に公開したブログのアーカイブ記事です。
執筆:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)
こんにちは。
名古屋や尾張旭でリノベーション、注文住宅の提案をしている株式会社SOWAKAの杉山です。
昨夜、急に訪問してくれた尾張旭市のK様。
K様とは創業時期に他のお客様からの紹介で内装工事をさせていただいてからのお付き合いで、家の間取りから家族構成など色々な個人情報が私の頭の中に入っている方。
今はお客様の数が増えたのでネットワークに接続されていないパソコンでお客様情報を全て管理していますが、私はほとんど覚えている。
ただ、他のスタッフが対応しなくてはいけないとき用に保管しているに等しいのですが、大切な会話からの工事履歴は工務店として忘れてはいけないと思う。
先日、雨漏れをしてきたからという事で屋根に登ったところ、一部悪いところがあった。
ほとんど住んでいない事もあり、お客様の希望で予算をかけたくないと。私もすぐに理解ができた。
今は娘さんの家でほぼ生活をしているK様なので、この家は雨漏りをかろうじてしない程度として先を考えたいのだと。
晴れ間の続いた日にハシゴをかけて補修をしました。
当日、K様は不在でしたが不安が減ったK様は「ありがとう」とわざわざお礼を言いに来てくださったのです。
壊れた時、不安な時、計画した営繕時期がきた時に連絡が取れる工務店がいるというのは安心なのでしょう。
私は建築物と修理が好きです。
SOWAKAからの情報発信によって少しでも日本中の建物所有者が建物に愛着を持っていただき、スクラップ&ビルドの社会構造から欧米の様に伝統を引き継いだ味のある建物が多くなり、開発によって失われた森の復活と共に自然と共存した豊かな心で生活する人々が多くなる事を夢みています。
降雨量、四季、地震など欧米とは違う外的要因がある日本ですが、計画的に営繕改修をすれば実現できるはずです。
なぜ工務店は営繕ができなくなってきたのだろう。
工務店(建築屋)は採算性ばかりを考えていてはダメですが、お客さんは少しでも安く工事をしてほしい。
みんな分かっているけど悪循環な社会構造。
ちなみに、題名の『営繕』というのは家の悪くなった部分のみを直すことで、扉の調子が悪くなってきた等の調整が必要な時や雨漏れがする等の取替えや補修が必要な時に使う用語です。
長々と書いてしまいましたが、住む側、直す建てる側の問題点について「営繕をしなくなった工務店の理由2」で説明します。
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