仕事をするって事とは。

この記事は、2022年4月26日に公開したブログのアーカイブ記事です

執筆:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)

名古屋市や尾張旭市周辺でリノベーションを通じて暮らしの提案をしているSOWAKAの杉山です。

日本のプロ野球で審判が投手に詰め寄って話題になっていますね。

審判は私と同世代。

そして、投手は20歳。

短大や専門学校新卒と同じくらいなのでとても興味を持ちました。

そもそも、審判ってどうやってなるんでしょうか?? 

たぶん子どもの頃から野球が好きで甲子園やプロを目指していたんだと思う。

だから、ちょっと成績の良い若手投手が自分のストライク、ボールという判断に不満な態度を覚えたから、イラっとしたのかもしれませんね。 

【世代間の違い、時代的背景】

私は今年45歳、父は団塊世代です。

団塊ジュニアというのは51歳から47歳を指すらしいのでジュニアではないのですが、ほぼジュニア。  

中学1年生か2年生でバブルが崩壊し、私が就職活動をする時は就職氷河期とも呼ばれていた時代でした。 

同級生も無職だったり、フリーターがいた様です。

なぜ知らないのかと言うと・・・ 

当時の建設業っていうのは超が付くほどブラックな働き方をしていて、実質は半年に1回位しか休みが無く、始発で出勤して終電で帰宅という生活を3年間くらい続けていたから、あまり世の中のことを知らなかったです。

でも、私は仕事があったから休みもなく働くことができたのですが、就職ができなかったらその時間は何をしていたのだろうか。

私の世代は、最近になって急に責任のある仕事をする様になった人が多い世代でもあります、

団塊世代、その上の世代がなかなか引退せず役のある席に居たから、サラリーマン達はここ30年位ずっと出世できず頭打ち状態でした。

この30年で役職者の高年齢化はとても進み、バブル期を飛び越してジュニア世代が急に人の上に立つ仕事を任される様になりました。

人によって仕事力は違うし、今はプライベート重視の働き方を望む人も多いから、責任のある仕事をしなければならなくなったと思う人もいれば、やっとチャンスが回ってきたと思う人もいるはず。

ただね~、やっぱり組織っていうのは順に上がっていかないと辛いだけにもなる。

人に指導する練習を重ねて人に指示を出す仕事に移っていかないと指示の出し方が分からない。

冒頭に書いた様に20歳くらい歳の差がある人に慣れていない人が接すると、世代間ギャップから「俺の若い時は・・・」的な理論に基づいて、本来あるべく指導や指示と違う方向になってしまう。

プロ野球の話題では、審判が「大人げない」とか書かれていて、確かに大人げないのかもしれない。

でも、その反対に若手も大人にならなければ??とも思う。

私はニュースで見ただけだから詳しくは知らないけど、そんな些細なことが話題になるっていうのは、世の中の人たちが日ごろからそういうシチュエーションがあって悶々としているからなのかもしれない。

【業種問わず悩みは同じ】

先日、知り合いの大工さんが話しをしてくれたのですが。

中学を卒業して大工の見習いに来た人を最近雇っていたらしく、親から面倒を見てくれとせがまれて、仕方が無く一つひとつを教えながら育てていくことにしたとのこと。

雇っていたらしく・・・過去形ですね(笑)   

何故かと言うと、もういないから。

大工って仕事は10年位やってやっと少しできる様になってきたレベルになる。

20年位やって仕事ができる人はひとり立ちをしていくが、20年やってもできない人が大多数。

だから親方ってのは見習いに対して1年、2年っていう短い単位で仕事を完成させようとはしないんです。

でも世の中は1年、2年っていう単位で成果を出せる仕事が溢れてきているから、若手が続かなくなっている。

友達はどんどん仕事を任せられて給料が良くなっているのに俺って・・・

なんでそんな楽な仕事をしていてプライベートも充実してるの・・・

Z世代は情報収集能力に長けているから、良くも悪くも自分の甘さには勝てないですよね。

Z世代に限らず、誰でも同じ様に考えると思う。

だけど、見習い、親方っていう昔ながらの上下関係がある世界では、親方の考え方を押し付けられる世界でもある。

まして、挨拶もできない、力仕事を嫌がる、覚えが悪い、休憩中もスマホばかり触ってコミュニケーションを取ろうとしないってなると「小学校じゃないんだぞ!」って親方も親方を辞めたくなりますよね。

若い人が居た方がいいじゃん!って思う人も多いかもしれない。

親方は見習いの分はもらっていないから、親方の働いた給料から見習いの分を出しているんです。

最近だと給料がいいから親方が40万円貰って、見習いに18万円を渡す。

だから親方の生活費は22万円。

なんかおかしくないかな??ってなる。 

でも見習いが悪い訳ではない。

そりゃ、だれも若手を教育するなんてしなくなりますよね。

親方は腹を括って育てるって決めている訳だから、22万円で仕方ないと思う。

だから、見習いが相応の頑張りを見せることで親方は納得ができるのだとも思う。

自分の知識や技術を継承する、できるっていうのは技術屋にとっては嬉しいことでもあるんです。

だから生活は苦しくなるけど育てたいっていう発想になるんです。

【SOWAKAも同じ】

弊社にも毎年、新卒新入社員が入ってきています。

いつも私が言うのは、学生は親がお金を払って自分の為に学校で勉強をする。

社会人は給料をもらって人の為に働き、自分の未来の為に勉強を続ける。

自分に甘く、人のことなど考えない新卒だけど、これはいつの時代も変わらないと思う。

私の時代もそうでした。 

給料はその時間を費やしたから貰って当然だし、学生じゃないんだから勉強なんてしない。 

大多数がそうですよね。

でも、中にはそうじゃない人もいる。 

だから仕事ができる人とできない人って差が生まれる。

すぐにスイッチが入る人もいれば、入らない人、入るのが遅い人。

それぞれ。

だから、会社側も新卒側すぐに結果を求めたらいけないんだ。

私が大事にしていることは、前述した大工と同じで新卒の場合に最初は「挨拶、礼儀、意欲」。

【なぜ仕事をするのか】

審判の人の気持ちも少しは分かる。 

大工の気持ちもだいぶ分かる。 

そして、私も会社員だったことがあるから働く側の気持ちも分かる。

でも、一番大事なのは全ての仕事にお客様がいるってことを忘れてはダメだと思う。

お客様がいるから仕事がある。 

お客様の満足を追求するから仕事を任せてもらえる。

なぜ、お客様が仕事を任せてくれたのかを考えて全うするのが仕事。

仕事がある会社ってのは、社会性を問われるから厳しい会社ってこと。

その厳しい会社で仕事を覚えた人達が、未来の日本を支える人達ってこと。

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