断熱工事って必要??

この記事は、2022年5月9日に公開したブログのアーカイブ記事です。

執筆:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)

こんにちは。

名古屋市や尾張旭市周辺でリノベーションを通じて暮らしの提案をしている株式会社SOWAKAの杉山です。

今回は室内の環境をとても左右することになる断熱工事についてお話しをします。

中古住宅を購入してリノベーションを考えている方は是非とも最後まで読んでください。

【この家って断熱材は入ってるのかな??】

中古住宅を購入しようとしている

または、

既に親から引き継いだという方 からの相談を受けることがよくあります。

木造なのか、鉄骨造なのか、ハウスメーカーの建物なのか、近所の大工さんが建てたのか・・・

それぞれ違うのですが、築35年以内の建物なら全く入っていないということはほとんど無いです。

ただ、今の断熱材と比べると入っていないに等しいので、リノベーションをする際には必須と考えておいた方が良さそうです。

【そもそも、断熱材って?】

SOWAKAのリノベーション標準仕様は「暖かく、涼しく、静か」

とても抽象的なので説明をさせていただきますと・・・

戸建てリノベーションをする際に2022年に新築で建てた建物と同等の室内環境にする設計をしています。

セルロースファイバーを吹き込んで、冬は少しの暖房で暖かさが続き、夏はエアコンの効きが良く、密度の高い断熱材を使用しているので外からの音も軽減させることができています。

この建物の性能を築20年、30年で実現しているので、普通に標準仕様は「暖かく、涼しく、静か」と伝えています。

でも、実はリノベーションという建築技術自体も難しいのですが、性能向上となるとさらにレベルが上がるので慣れていない頃の弊社でも多く失敗を繰り返していました。 

プランニング時の基本設計も大事ですが、その後の実施設計と現場がうまく嚙み合わないと工期が3週間から4週間ほど遅れて完成しなくなってしまう。

これは構造の種類によっても提案内容から施工方法、断熱の種類に至るまで様々なので企業秘密に近いです。

断熱材には色々な種類の物があり、天井を断熱する材料、壁を断熱・・・床下を・・と部位によっても弊社は工法を変えています。

大きく分けて、断熱材の種類は以下のようになります。

繊維系(無機質系)断熱材

グラスウール、ロックウール等

繊維系(木質繊維系)断熱材

セルロースファイバー、インシュレーションボード等

天然素材系断熱材

羊毛断熱材、炭化コルク等

発泡プラスチック系断熱材

押出発泡ポリスチレン、ポリウレタンフォーム、フェノールフォーム

【SOWAKAの断熱仕様】

お客さまの要望によって画一ではないのですが、リノベーションの標準として採用をしているのが以下のようになります。

内装関連

天井(屋根)部分 :セルロースファイバーブローイング工法 (熱伝導率0.040以下 密度50kg/㎡)

外壁面の壁部分  :セルロースファイバー吹込み工法 (熱伝導率0.040以下 密度50kg/㎡)

床下部分     :古紙混入発泡ポリプロピレン断熱材 根太組工法敷き込み

          フクビ化学工業製 フクフォームEco 80ミリ厚(性能表示基準:等級4)

外装関連(オプション)

外壁面透湿防水シート:旭トステム外装製 遮熱タイプ透湿防水シート(VWFS50) 

アルミサッシ    :LIXIL製ハイブリッド窓 サーモスⅡ

ガラス       :LOW-Eガラス(グリーン)

玄関ドア      :LIXIL製リシェントorジエスタ K2断熱仕様 

外装に関しては、防火地域、非防火地域の別によって商品の価格が異なるためオプションとしています。

おおよそ、築25年から30年の木造住宅をこの仕様でリノベーションした場合、床面積が90平方メートルの場合で 90×150,000円=1,350万円(内装関連)となります。

※新築に建替えをするより内装関連だけで比較をすると500万円ほど差があります。

新築の諸経費や家屋解体等を計算に入れると1,000万円ちょっとの差がありますね。

【我慢すればいい?】

我慢ができるのであればリノベーションの検討もしないと思うので断熱は最新のものに変えた方がいいです。

断熱材というのは壁の中や床の下にあるものなので、大規模に工事をする予定なら入れ替えるチャンスでもあります。

例えば、築30年の戸建て住宅を買おうかな~って考えているとします。

築30年ということは完成したのが30年前で、建て始めたのが31年前、設計図を書いたのが31年から32年前という計算になります。

その設計者が最新の断熱材料を知っていて採用したのならば32年前の断熱設計ですね。 

でも、その時に10年前の断熱設計を採用していたとすると42年前の設計ということになりますよね。

これは築25年の軽量鉄骨造Sハウスで使用していた厚さ25ミリの断熱パネルです

そして、そのまま利用したとすると・・・・

リノベーションをして20年後には62年前の断熱設計が採用されたままの建物になります。

【2022年の断熱について】

いま、SDGsや地球温暖化、電力問題などでランニングコストやCO2削減が注目されていますが、お金や環境の問題も大事だけど私が一番考えてほしいのは、ずっと居たくなる家、帰りたくなる家はどんな家なのか。です。

やっぱり、家ってのは安全で暮らしやすい間取りで、暖かく、涼しく、静かであるべきだと思う。

家の中ぐらいはワガママで居たいじゃないですか。

それが居心地が良い場所じゃないのかな~。

現代の日本の建物は海外の建物に比べて耐震性能は非常に高く、建物の精度も良いです。

どこの国を基準に性能を比べるのかによって違うのですが、先進国の中で比べると断熱性能はまだ劣っています。

25年前はかなり断熱性能技術が遅れていました。

断熱材は入れている建物も多くなってきていましたが、密度が低く、厚さもペラペラ。

アルミサッシも気密性が低く隙間風が入り、特に冬場は熱伝導しやすいアルミのみのサッシだからサッシ本体も冷えて室内が冷える。 

また、ガラスもペアガラスが出始めてきてきていたものの、ペアガラスの厚さも薄かった。一般的にはまだシングルガラスでしたね。

では、今の高性能住宅というのはどうか。

断熱材の密度が上がり、厚さも壁に収まるギリギリまで厚くなっている。

弊社でも厚さを作るために外壁の内側にもう一枚断熱用の壁を作っている。

基本はセルロースファイバー材を使用していますが、セルロースが吹き込めない場所などは上記のグラスウールの上位の高性能グラスウール(アクリア)を私は使っています。

サッシは外側はアルミ製で内側は樹脂製となっているハイブリッド窓が主流となり、サッシ本体の気密性もかなり向上しました。

だから、断熱性能だけではなく、防音性能も向上したのです。

ガラスはペアガラスが当たり前となり、一般的にペアガラスにするか、ガスを注入したLOW-Eガラスにするか・・・という選択や2枚のペアガラスではなく3枚のトリプルガラスにするかどうかも検討することができる。(真空ガラスというものもある)

【高気密、高断熱住宅の問題点】

・建築費用が高くなる。

 (実際に25年前に比べて建築費用はかなり高くなったので性能の良い建物が多くなってきました)

・高気密にすると一酸化炭素中毒になるので石油ファンヒーター等の燃焼系暖房器具が使えない。

・施工が悪いと壁の中で結露を起したりする。

・高性能な新築を建てても十年後以降にリフォームをする際に業者選びを金額だけで判断すると設計や施工技術が足りず高性能部分のバランスを壊してしまう。

【まとめ】

ここ20年くらいで住宅の性能はどんどん良くなってきています。

築年数によって考え方を変えなければ費用ばかりかかってしまうのでまずはご相談ください。

築20年経過しているのであれば断熱材を根本的に見直しをした方が良く、サッシも現在のサッシとは比べられないほど気密性が低くガラスも単板となっている場合がほとんどだと思うので予算次第で交換や内側にインナーサッシを取付ける等の措置をすると住環境は良くなります。

費用としては、木造2階建ての延床面積が35坪くらいの建物で断熱工事が90万円から110万円、インナーサッシの取付が掃き出しサッシ1ヶ所12万円くらいの予算組みをしておくと良いです。

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