ワンストップリノベーション
この記事は、2015年10月19日に公開したブログのアーカイブ記事です。
執筆:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)
今日もいい天気ですね。
昨日は子どもの運動会に出て体中がイタイ運動不足の杉山です。
現場作業で大工や埋設配管用の土堀り、コンクリートのハツリ作業、産廃の片づけで常に身体を動かしているにも関わらず運動会と仕事は別物なんですね。
硬式テニスや陸上、水泳が得意だったのですが、今では子どもの身体能力に勝てません。
今回はリノベーションについて書きたいと思います。
弊社のメイン事業であるリノベーションですが、思う事がたくさんあります。
もしかしたらこのブログを読んでくださっている方も同じ事を考えているかもしれません。
・リノベーションって家を買い替える人がする事なの?
・リノベーションってお洒落じゃなきゃリフォームなの?
インターネットから情報を得ている方だと『ワンストップでリノベーション』という文をよく目にすると思う。
弊社にもワンストップで広告を出しませんか?と広告代理店から営業の電話がよく入る。
何を言ってるのだか・・・
ワンストップというのは不動産を取り扱うインターネットサイトが不動産会社が物件に付加価値を付けて販売しやすいようにしたサービス名称。
そう。建築側からすると、ただのキャッチフレーズ。
確かにお客さんにメリットはあります。
・雰囲気の良いリノベーション会社に『こうしたい』と伝えれば物件探し、安定したデザイン、工事まで一人の担当者と打合せをすれば終わる。
・住宅ローンを組むのに土地、建物の一体で借入れができるから融資枠が増える。
・購入計画をするにあたってイメージしやすい。
ブログを書きながらもイイネって思ってしまいそうですが・・・・
・良いデザインをする会社が良い物件の仲介をやっているとは限らない もっと色々探してみなくていいの??
・不動産、建築設計、内装設計、現場管理担当の4人を上手に纏める営業さんって出会った事がない 不動産の色が強くない??会社の内部って請負金額が一番大きい仕事を動かす人が強いものです。この構図の場合は設計も現場もバタバタしているので不動産営業の口に社内で負けてしまうんですよね。(経験談)
・自分の大事な家なのに色々な専門家と打合せをするのが面倒なら賃貸でいいのに 賃貸なら手間なんて無いですよ? 一生に一度の大きな買い物です。
リノベーションは規模が大きいリフォームの事と同じです。
規模が大きくなれば設計、現場共に作業量が増えて工事期間も長くなるのでリノベーションとなると工事代金は高くなります。
A:洗面化粧室と浴室の改装工事はリフォーム。
B:洗面化粧室と浴室とリビングの改装工事はリノベーション
工事の量が増えれば名称が変わるだけですが、リフォームは請けないけどリノベーションは請けるとかは意味不明で問題外。
改装工事というのは工事の最初に既設物の解体工事から始まるのですが、どうしても解体してみないと分からない部分もあります。
Aのリフォーム工事が5日、リノベーション工事が20日と仮定した場合、初日に解体から工事スタートしたとすると
解体してみたら「こんな予定では無かった」という状況の場合はAリフォームの場合残り日数4日間で完了しなくてはいけない。
Bリノベーションの場合残り19日もあるから挽回チャンスがあるので、一般的にはリフォーム工事はお客さんが住みながらという事もあり請負は小さいにも関わらず大変な作業となります。
実は知識と経験と慣れが無ければリフォームはできない。
建築屋の考え方では大変な作業から背を向ける事はしないのですが、異業種からの参入だと避けたい工事でしょう。
15年位前に空前のリフォームブームという時期があった。
上場企業や上場手前の企業がこぞってリフォーム市場に参入してきましたが、すぐに撤退していきました。
事務所で電話とパソコンを駆使してリフォームをやろうとしても現場は甘くなかったのでしょう。
ブームになった事で価格競争が激化し、異業種からの参入もあり改修する事の敷居が低くなっていきました。
改修現場はお客さんが生活している場、そして作業をする作業員も人間なので広告が上手でも口先だけでは工事現場は操れない。
家を触るという事は簡単な事ではないです。 だから私は改修分野が好き。挑戦しつづけたい。
ワンストップではなく、何度もストップして振り返って良い家を作りたいものです。
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