営繕ができなくなった工務店の理由3 完結

この記事は、2015年9月12日に公開したブログのアーカイブ記事です。

執筆:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)

こんにちは。

名古屋や尾張旭でリノベーション、注文住宅の提案をしている株式会社SOWAKAの杉山です。

今日は「営繕をしなくなった工務店の理由2」に続いて書こうと思います。

SOWAKAが改修をしていて思うことがあります。

・改修履歴が不明だったり、その場限りの複数業者が改修をしているとき。綺麗に仕上がってしまっている部分を解体すると、予想外のものを目にする事がある。建物に全く感心がないお客さんにはこんな事をするのかとビックリする。前に入った業者も同じ事を考えて「この程度で良い」と思ったのだろうか。

画像は耐震補強用の基礎と柱を緊結するための金物ですが、金属サイディングの上から取付けていても全く効果ゼロ。あまりにも見た目が変だったので取付してあるボルトを指で触ってみるとボルトが2本指で抜けてきました。これは中古物件をお客様と一緒に見に行った時の写真ですが、当然にこの建物は買ったらダメと言いました。

・計画段階で相見積りとなっており、他社が安価で異なる工法を提案しているとき。施主の改修に対する予算組みが引き下げられてしまうので、改修しても直ってはいるが中途半端な工事となってしまっている。予算も大事ですが、永く使える改修を選択してほしいものです。

リフォーム業者の様に営繕で運営をしていくには部品交換や住設機器の取替えだけでは成り立たないので、少し大げさに家が壊れてしまうと不安を口にするのも御用聞き係の営業手口なのかもしれませんね。基本的に職人を連れて歩き、調査を行い、業者見積りを出してもらってからの見積り提出というのも営繕仲介業ならではの方法ではありますが、前述した様に営繕は経験と知識が豊富でないとできない。また、失敗したら即赤字なのでリフォーム運営会社は業者に調査をさせて利益額の確定をしたうえで工事をするもの。

 運営体質なので仕方が無いのですが、少し工事規模が大きくなってクロスの貼り替えだけではなく壁を壊して柱を移動させて等の枠を超えたリノベーション工事になると職人の人数も多くなるため、職人から見積書をもらう事ができなく営業マンの経験の差で品質にも大きく影響をしてくる。たとえば、柱が図面上ではあったのに実際は無かった場合、柱を追加して注文すると利益額が1万円ほど減ってしまう。上司の承認が必要なので現場判断でどうするかが分かれ道となる。良:施主と上司に相談して柱を入れる 中:職人に泣きついて柱を入れてもらう 悪:柱は不要と判断してしまう

その場限りの複数業者がリフォームを繰り返した家は十中八九で手抜き工事となってしまっています。 それも、壁や天井、床を壊さないと分からないほど巧妙に隠されているから大問題なのです。業者に任せて綺麗になった家が実は手抜き工事だったらガッカリする事でしょう。

結果的には業者が悪いのですが、施主側も未然に防ぐ手立てはあります。

・建物を大事にする気持ちをもつ

・壊れてから業者見積りを確認して予算組みをしていては判断を誤ることがあります。改修の計画を立てましょう。 例えば、10年後に外壁と屋根の修理と塗り替え90万円、15年後に内部の内装工事50万円などから計画を始めてもう少し詳しく書いていく。

昭和のお父さん達は自分の家を自分で直していたので予算組みをしなくても大丈夫でしたが、建物も複雑になったことからか現代では業者任せな部分があるので計画的に改修をしていく必要があります。

業者選びの作業で工事代金は一番気になるところですが、営繕を含めたアフターフォローに対応できる工務店と付き合っていくのが一番賢いのかもしれませんね。

SOWAKAでは設立時に

・目先の利益よりお客様の10年後の満足を重視した事業展開をしよう。

・引き渡しをしたお客様との繋がりという約束を実現し続ける為に適正な利益で会社を存続させよう。

という目標を立てました。

新築を建てる時も改修する時も規模に関わらず永く大切にしてもらえるような家づくりを提案し続けたいものです。

「営繕をしなくなった工務店の理由1」で登場した尾張旭市のK様の様に始まりが内装工事であっても、SOWAKAは建物を解体するまで、そして会社が存続する限りK様家族の考え方や建物情報、改修履歴を記録して適切なアドバイスや提案ができる身近な工務店としてお付き合いをしていきたい考えています。

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