【住まいの Q&A シリーズ第1弾】リノベーションを思い立ったとき

この記事は、2021年1月30日に公開したブログのアーカイブ記事です。

執筆:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)

こんにちは。

名古屋市や尾張旭市周辺でリノベーションを通じて暮らしの提案をしている株式会社SOWAKAの杉山です。

いざ中古住宅を購入しよう、と考え調べてみてもリノベーションのデザインについての内容が主な本やホームページが多く、新築住宅のように契約や購入などの流れについて、よく分からないなぁなんて困っている人も多いのではないでしょうか。今回はそんな中古住宅の購入を考えたときのよくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

Q:中古物件ってどうやって探したら良いの?

A:弊社のお客様はインターネットを活用して探す方がほとんどです。

アットホームやSUUMO等たまたま歩いていて見つけた物件でしたら管理をしている不動産会社の立て札が建っていることがあるので、その不動産会社に直接連絡をするのも方法のひとつです。

弊社は不動産の取り扱いは行っていません。

尾張旭市内の物件探しでしたら、信頼できる市内の不動産会社をご紹介することはできますが、その会社からリベートをもらう訳ではないのでリフォームの相談をすると他の建設会社を紹介されることもあります。

Q:ワンストップ、リノベーション会社ってなんだろう?

A:「ワンストップ」といって中古物件購入とリフォームを一つの会社が一挙に引き受けることで、お客様にとって手間がかからず引越しまでスムーズに物事が進むメリットがあります。

デメリットはその不動産を購入するとその会社がリフォーム、リノベーションをするので選べられないこと。

諸説ありますが、ワンストップは10数年位前に不動産会社が始めたサービスで、中古物件を購入する際に必ずリフォームなどをすることから築年数が古い家でも全面改修をすれば資産価値が上がるという謳い文句でリノベーションという名前が広がっていきました。 

不動産会社からすれば土地建物と改修を抱き合わせで販売ができるので物件が良ければリノベも売れ、リノベデザインが良ければ物件も売り易くなる訳です。

これがリノベーションという言葉がメジャーになるキッカケでもあった訳ですが、もともと、リフォームというのは直訳すると洋服のほつれ直しを意味し、手軽に建物のほつれ直しができますよ!という感覚で経営コンサルティング会社が命名して全国に広がった名前です。

リフォームのことは、それ以前は「増改築」という名称が一般的で、今でも、建築基準法には「増築」、「改築」という名称のままです。

リフォームやリノベーションなんてハイカラな名称は法律には書いてありません。

そんな歴史があり、増改築という名前が一般的だったころの増改築屋さんは○○工務店や○○建築という名前が多かったみたいですね。

そして、リフォームという名前が主流となってからはカタカナや横文字の社名が増えて、少しお洒落な感じになりました。 

リノベーションが一般的になった現代は不動産と住宅建築、商店建築を組み合わせている業態が多いので鉄道会社やメディアと資本提携をするなどしている大資本の会社が多かったり、図面を書いてトントン、カンカンする昔とは違い、デザイン性の高さが必須となってきていることもあり不動産会社やデザイン会社、リフォーム会社がリノベーション業界へ参入していることが多いです。

Q:なぜSOWAKAは不動産を扱わないの?

A:弊社の良さは土地と建物を別で考えていることです。

別で考えているからこそ、その建物の状態が良いか悪いか率直に伝えられます。

前述したワンストップのお客様へのメリットも、会社として体力をつける為に売上を上げるという選択もあるのかもしれません。 

しかし、引渡しをしてからのお付き合いの方が長くなる建築業においては、まず買う段階で悪い建物は悪い!と教えてあげなければならないと思っています。

それが、自社で不動産業もやっていたとするとどうでしょうか。

不動産屋さんは物件を引き渡したら終わりです。 

連絡を取り合うことも一切ありません。

そのお客様が損をしないように伝えられる立場を維持したいから不動産業をしていません。

Q:いつリノベーション会社に問合せしたらいい?

A:弊社の場合は物件を見つけて、内覧をしたあとが一番現実的なお話ができます。

逆に、物件の引き渡しを受けてお客様に所有権が移ってからだと引越しまでの期間が長くなってしまい賃貸費用と住宅ローンの2重支払い期間が長くなってしまいます

また、物件が仮でも決まっていない段階での打合せは、ほとんど話すことがないので複数のリノベーション会社へ行っても収穫は無いと思います。 

リノベーションはお客様の要望とその土地、環境、建物なら・・・という考え方なので要望を聞いておくことくらいしかできないからです。

Q:リノベーションに向いている物件ってどんなもの?

A:物件を探す時にリノベーションをすること前提で探すのか、探し当てたらリノベをしたら住めるかも・・と色々なシチュエーションがあるかと思います。

築年数が古ければ物件価格は安くなりますが、色々と直さないといけないのでリノベ費用は上がります

築年数が浅ければその逆ではあるものの、築20年以上経過しているとほとんどのお客様は築20年も築30年、40年も一緒という感覚になっています。

築50年以上だと古民家再生という感覚であるならば良いとは思いますが、基礎が悪いので素人の方はやめた方が良いと思います。

Q:物件を見つけて内覧するときのポイントは?

A:物件として住環境などが要望に近いと仮定して、マンションの場合はエントランスや駐輪場、植栽の辺りをチェックしてみましょう。

その建物の住民で構成する管理組合がしっかり機能しているかどうかが分かる時があります。 

手入れができていない時やゴミが散乱していたりだと、管理費を未納している住民が多かったり生活レベルが合わない住民が住んでいたりで後々で嫌な思いをするかもしれません。 

管理がされていないマンションだとそのうちに修繕や維持ができなくなってしまうこともあるので要注意です。 

購入前に管理組合の資料を開示してもらうことはできるはずなので、チェックするのも手ですね。  

だいたい、50戸位あるマンションだと1人くらいは未納の人がいたり、賃貸で貸していて連絡がつかなかったりしています。

戸建については、前所有者に外壁や屋根の修繕はいつ行ったか、建てた時の検査済証(確認済証)や建築図面があるかどうかは最初にチェックした方が良いと思います。

また、内覧に行っただけで近所の人たちが集まってきたりする場合は、地域コミュニケーションがかなり必要な場合があるので、苦手な方はその物件を諦めるか、克服しましょう。

Q:内覧をした時にどこを見たらいい?

A:前の持ち主は何故に手放すことになったのかを考えましょう。

まだ住んでいる状態での内覧ならとても分かり易いです。

物が溢れかえっている場合は収納が足りない、スペースが無いことも考えられます。

手狭で手放すという理由ならば、お子様の人数を比較してみましょう。

自分達も手狭になる可能性もあります。

ほとんどの不動産屋さんは本当のことを言わないです。

でも、理由を教えてくれたら自分と比較したり置き換えてみたりして考えてみましょう。 

やっと見つけた物件ではあるものの、はやる気持ちを抑えて冷静に考えてみると本質が見えてきます。

リノベーションでできることには限りがあります。

増築しない限り床面積は広がりません。

Q:金銭感覚が麻痺してきたのですが、他はどうですか?

A:毎日、スーパーで1円でも安く食材を買おうとしてるのに不思議ですよね。

リノベーションの場合、不動産取得が先になるのでお客様も感覚が麻痺した状態から打合せが始まることが多いです。

注文住宅の新築を建てる時と変わらないです。

これは、それなりの覚悟でお客様が挑んでいるからなのだと思いますが、物件を探している時に「この物件は3100万円かぁ・・・ 予算は3000万円だったからいいかも! 100万円は何とかしよう。」そんな会話を夫婦でしたりします。

普通に考えてみたら、100万円って貯めようと思ったら大変なのに不動産を考える時にはサラッと出てくる言葉。 

3000万円に1500万円位でリノベをして4500万円位かもね。

あえて言うならば、よく勉強をしていらっしゃる方々です。

不動産も建築もやっぱり相場というものがあって、だいたいは当たっています。

これは麻痺しないと購入もリノベも実現していかないものなのですが、金融機関にどれだけローンを借りて、どれだけ毎月返済をしていかなければならないか事前審査を通して見通しを出してもらうと現実が見えてきます。

不思議と新居に引っ越す時には元の金銭感覚に戻ってきます。

【その時、SOWAKAは何を考える?】

一生に何度もある事ではないので、時期やタイミングから家さがし、家づくりに辿り着いたお客様を応援しています。

家はどれだけでもお金がかかります。

よーーく家族で話し合って毎月の支払い金額やこの先20年間くらいの計画を立てて無理のないようにすることが一番大切なことですね。

リノベーションを依頼する業者選びも上場している大手の会社なら見積り金額は高くて当たり前で、SOWAKAみたいな小規模な会社だと安くて・・・見積り金額の比較は難しいものです。

会社の規模で経費が全く違うから仕方ないことですよね。

工事後の保証やアフターメンテナンスもほとんど変わらないのですが、会社が潰れる確率が低いのは大手ですね!(自分で言うなと言われそうですが、事実)

今は色々な保険もあるので、担当とのフィーリングが一番大事なのかもしれません。

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