中古住宅を買ってリノベをするポイント

この記事は、2021年1月19日に公開したブログのアーカイブ記事です。

執筆:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)

名古屋市や尾張旭市周辺でリノベーションを通じて暮らしの提案をしている株式会社SOWAKAの杉山です。

今日はこれから物件探しをしてリノベーションをしてから引越しをしたい方へ向けてブログを書きます。

大事なワードは「Why」

なぜ、今の住まいから引越しを考えていますか?

不動産会社やリノベーション会社と話合いを進めていくうちに、なぜかその初心を忘れていくものです。

ただ、土地建物を購入しようとしているときに考える事は、大多数の方が立地、費用、築年数、間取りなのではないでしょうか。

私も10年ちょっと前に不動産を購入して初めて知ったのですが、希望の条件にピッタリ合う物件なんてなかなか無い。

立地、費用、築年数、間取りの4つのうち3つはクリアしていて、叶わなかった1つに関しては許容範囲内かどうか・・・って感じ。

そんな事を考えながら探してると初心はついつい忘れがち。

初心は人それぞれ。

家を持てるだけでも満足という方は

 ・マイホームを持ちたいから

 ・子どもに土地だけでも残してあげたい

 ・その土地でずっと暮らしたいから

明確にどんな暮らしをしたいか想像がつく場合は

 ・大きなリビングに・・・

 ・お菓子作りができるキッチンに、パントリーが・・・

そして、なかなか希望の物件に巡り合えずクリアが難しい項目をメモしておくと良いかもしれません。

中古物件を探している時の「心の動き」はクリアする度に変化していきます。

STEP1 夫婦で冗談の様に引越し、家づくりの話題を始める。

    心の中:この家族でこんな感じの暮らしをしたいな

        いま買えばローン完済時はまだ〇〇歳だから老後の心配もなさそう

STEP2 不動産屋さん情報やアットホーム等のネット媒体で探し始める

    心の中:ん~ 意外と見つからないものだなぁ

        なんで希望する家は費用が高いんだ

STEP3 やっと良い情報と巡り合う

    心の中:出た!! 諦めかけたけど探し続けて良かった! 

        すぐに連絡しないと誰かに買われてしまう

STEP4 念願の内覧(実際の物件を不動産屋さんと見ること)

    心の中:ガッカリ やっぱり中古だもんなー

        そういえば、この価格でローンは通るのだろうか

        他にも検討してる人がいるって言ってるからいま決断しないと後悔しそう

        頑張って探してきたけど他は無かった。多少の事は気にしないで考えなくては・・

この様に、探し始めたSTEP1から決めようとしているSTEP4まででも心境の変化がある。

そもそも なぜ、「今」なのでしょうか? 

 ・住宅ローンを組むのは早い方がいいから

 ・結婚をしたから、子どもが産まれたから、部屋が狭くなったから・・

このWhyというワードは「初心」としてとても重要なんです。

住みたい地区で希望に近い予算で物件が見つかった時、色々な想像をします。

その想像の中に建物がもう少し「こんな感じだったら・・・」って考えた時に私たちの出番になります。 

または、最初からリノベをする前提で物件探しをしている方も多いそうです。

土地建物はよほど色々な条件が無い限りは広告やネットに書いてある費用+諸費用で購入できるのでクリアできるのですが、建物をどう改修するのか・・というのは考え方次第でピンキリな金額になってしまいます。

部屋を触りたいとき、どう考えたらいい??

実は、つい最近まで誰かがその土地建物に住んでいたのだから、掃除をして引っ越せばそのまま住めないことはない。

けれど前の持ち主が住んでいたままはイヤ!

ですよね。私もそう思います。 

せめて、生活をしていた痕跡は消したいですね。

これをリフォームといいます。

壁紙を変えて、お風呂、トイレ、キッチンなど生理的に気分よくしたいものです。

【リフォームを考える】

4LDKの間取りなら

壁紙の張替え60万円

お風呂とキッチン取替150万円~250万円

トイレ10万円~40万円と予測して220万円~350万円

を目安にしておけば建売住宅以上の仕様にはなります。 

戸建ての場合だと、そこに屋根や外壁の塗り替えや修理が必要な場合があるのでプラス200万円は想定しておいたほうが家が長持ちします。

建築費用がどんどん上がるのは、土地建物が手に入ってハードルを越えた安堵からくる金銭感覚の麻痺です。

だから、最初に概算金額を出してもらって優先順位を夫婦で話しあうことがとても大事です。

間取りを変えて暮らしやすい生活動線にする工事を弊社ではリノベーションと名付けています。

【リノベーションを考える】

大規模にリフォームをするようなイメージなので、どこに部屋があったか分からなくなるほど内部を解体していき、ほぼ内部は新築同等になります。

せっかくなので、静かで、暖かく、涼しく光熱費が抑えられる断熱材を標準仕様としています。

費用はだいたい、改修をする面積×13万円~15万円が相場です。

延床面積が100平方メートルの中古住宅をリノベーションしようとすると1300万円から1500万円といったところです。

結構しますね・・

ただ、これにはその建物が建っている環境や築年数、現在の品質は考慮されていませんので現地の確認は必ずしてもらった方が良いです。

ちなみに、新築を建てる場合はどうでしょうか。(2階建て木造住宅 延床100平方メートルの場合)

【建替えを考える】

まず、更地でない限り現在の上屋(建物)を解体して更地にしなければなりません。 

だいたい、150万円から250万円はかかります。

よく「坪50万円」と書いてある地元工務店のチラシを見かけます。

1坪は3.3平方メートルのことなので、100平方メートルだと約30坪ということ。

だから、坪50万円というのは50×30=1500万円が建築費用となります。

業界の常識というか、書き方が消費者に分かりづらいというか、騙しみたいな書き方ではありますが、

1500万円というのはただの費用なのです。

これに、諸経費やなんだかんだ・・・・およそ600万円から700万円かかるので、解体をして建物を建てると2250万円から2450万円かかる計算になります。

これに、地盤が悪いと杭工事や地盤改良工事が追加され、ハウスメーカーや地元の工務店ではなく、こだわって設計事務所に依頼をするとお洒落ですが更に上がります。

まぁ、設計事務所で建てる家は坪50万円では建ちませんが。

だいたい坪80万円以上かな。

家ってホントにお金がかかる。

新築に比べて内部リノベーションは800万円から900万円ほど安くできる!とは言っても安い買い物ではないですね。

しかも、これは建築費用だけのお話です。

新築を建てれば現在の建築基準法に適合した家が出来上がりますが、リフォームやリノベーションの場合だと安いイメージだけが先行してしまうのか、あまり予算を考えていなかったり(1000万円は軽くかかってしまうリノベーションを100万円以内でできると考えている方も過去にはいました)、設計施工をする工事業者のレベルによって品質や仕様もマチマチです。

忘れてはいけないのが「修繕費」

トイレの便座や給湯器、IHクッキングヒーター、食器洗い乾燥機は7年から10年で壊れはじめます。

これ、取り換えると4つ合計で60万円ほどはかかる。

12年から15年に1回は塗り替え(80万円から200万円)が必要だったり、お風呂やキッチンも20年くらいで交換をしていきます。

ん~ お金かかるーーー!

結婚や引越しの時にテレビ、冷蔵庫、洗濯機を一気に買い揃えると・・・10年後、一気に壊れる時期になる(笑)

よくある話ですよね。

また、いつまでも自分が若いと思っちゃダメです。

買う時は築30年でも30年経てば築60年です。(40歳で買って30年経過すれば70歳になっています)

建物によっては取り壊して建替えをした方が良い物件もいっぱいあるので、物件を買う(不動産売買契約)前に弊社にご相談ください。

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