リフォーム・リノベーションの金額

この記事は、2016年2月26日に公開したブログのアーカイブ記事です。

執筆:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)

こんにちは。

名古屋や尾張旭でリノベーション、注文住宅の提案をしている株式会社SOWAKAの杉山です。

先日、注文住宅か中古を購入してリノベーションをしようかと迷っているお客様とお話しをしました。

リノベーションのプランや金額は購入予定の物件が無いと提示ができないので、注文住宅のプランを3案作成して話し合いました。

基本的には新築に興味が無いワタシ・・・(笑)  設計図通りに建てるだけだから誰でも建てられる

いつもズバリとお客様に話をするのは、新築なら一条工務店とかの方が圧倒的に良いモノを作りますよって。

地元の工務店や小さいハウスメーカーはどこもレベルが同じ。

チラシにキャッチフレーズが書いてあるけど、そんなに工法や構造、材料にこだわっていますか??

・日本人は良いモノを買い替えて所有します。(見栄重視)

・欧米人は良いモノを永く大切に所有します。(暮らし重視)

注文住宅を建てたいなら建売住宅を検討するのはもってのほかです。

逆も言えるのですが、建売を検討しているのなら注文住宅やリノベーションは打合せで決める事が多いからやめた方が良い。

お客様:「今はアパートに住んでいるのですが、戸建てに住みたいです。新築だと坪単価が明確なのにリノベーションだと不透明なので計画しづらいですね」

ワタシ:「どんな暮らしをしたいのですか?」

お客様:「家賃を払い続けるのがもったいないのが正直な理由ですが、どんな暮らし・・・

     バイクが好きだからガレージで休日にメンテナンスをしたり、庭でバーベキューをしたりコーヒーを飲んだりしたいですね」

ワタシ:「いいですね。 庭で家族とBBQしたりコーヒーを飲むって素敵ですよね。」

お客様:「でもローン地獄が待っていますけどね」

ワタシ:「金額の話ですが坪単価50万円って書いてある広告に目がいきますか?

     弊社リノベーションも坪単価だと33万円位ですよ。

     坪だと分かりにくいので概算だと1平方メートルで10万円といつも伝えています。」

お客様:「それだけを聞くと追加であと少し出せば新築が建ってしまいますね」

ワタシ:「そうなんです。だからリノベーションの業界が新築と比較して新築55万円、

     リノベーション33万円って言わないんです。  

     でも、実は同じ建築作業には変わりないのですが、別物です。

     そして、新築と同じ様に計算をすればリノベーションに坪33万円もかからないです。」

お客様:「・・・ん??」

【解説】

新築の場合の坪単価というのは建物の本体の価格だけのこと。

新築を建てる為の一連の動きは無視しているので、崖地、平地、沼地のどこに建てても坪単価は変わりません。

そして、建替える人のことも考えていないので今の建物を壊す金額は反映されていません。

それに比べてリノベーションの場合は、今の形から変更や更新をしていく作業なので築年数や劣化具合によっても金額が変わります。

しかし、一連の動きの全てが入っているので、それ以上の金額がかからないという点が違います。

たとえば、50坪の家を坪単価50万円の注文住宅で建替えをする場合、50坪×50万円=2500万円が本体金額。

既存建物の解体や地盤改良などを含めた諸経費で700万円はかかるので2500万円+700万円=3200万円となります。

では50坪の家を全面リノベーションをする場合、50万円×33万円=1650万円となります。

全然少しの差ではありませんよね???  

弊社がよく伝えているのが、毎月の返済負荷を数字上同じと考えた場合

例1:40歳で注文住宅を建てた場合、3,200万円の35年ローンが終わるのが75歳。

    その頃には築35年となっていてリノベーションが必要な建物となっています。 

例2:40歳でリノベーションをした場合、1,650万円の20年ローンが終わるのが60歳。

    退職や老後を考えて65歳で再度リノベーションをする。

なんだか、住宅ローンの為に生きているみたいではないですか??

そのお金があったら家族で旅行に行ったり、趣味に使ったり、子どもの教育費に使ったり・・・

『そこで、どんな暮らしをしたいか。』

こんな疑問を自分に投げかけてみて、計画をしてみるといいですね。

お客様:「そっかぁ・・ 確かに自分で言ったけどローン地獄になりそう。」

ワタシ:「売りたいばかり、建ててほしいばかりの人と相談しても自分を見失うだけですよ。

     ただ、大きな買い物なので背中を押す人も必要なので家族会議は大事ですね」

お客様:「小遣いを減らされてバイクのメンテナンスとかできなくなりそう・・・」

ワタシ:「だから、そこでどんな暮らしをしたいのか? が必要なんです」

こんな会話をしていました。

新築を検討している人はリフォーム・リノベーションだと色々な満足ができないと思っている人が多い。

リフォーム・リノベーションを検討している人は腹づもり金額を極端に過小な積算をしている人が多い。

【失敗しない計画をするためのアドバイス】

・新築を建てれば知人からは「スゴイ」と言われます。返済できなくなれば知人は離れていきます。

・住設機器を交換したい方は替えたい住設機器の定価が付帯工事を含めた概算工事金額となる。

・間取りを変えて暮らしに変化を求める方は最低でも600万円はかかる。

・自分らしいリノベーションをしたい方のリノベーション工事の概算は10万円/平方メートル。

同じ様な事が弊社のWeb上にも記載があります。ぜひご覧ください。

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