マンションリフォームが始まりました・・・が、

この記事は、2016年6月16日に公開したブログのアーカイブ記事です。

執筆:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)

名古屋市や尾張旭市周辺でリノベーションを通じて暮らしの提案をしている株式会社SOWAKAの杉山です。

今週初めから千種区のマンションでリフォーム工事が着手しました。

リフォームとはいっても工期は1か月なのでほぼリノベーション。

2月にSUVACOからのお客様にご友人を紹介していただいたのですが、気が付けば4ヶ月前だったのですね。

毎回、4~5時間の打合せを重ねていたので古くからの友人の様な感覚です。(笑)

もともとはマンションという事もあり、結露で悩んでいての相談から改修規模が大きくなってしまった訳ですが、私の話を聞いてくれて嬉しい。

結露って建物のせいだけだと思っていたり、クロスを貼り替えればカビが無くなると思っていませんか?

カビは一度生えると根が深いので環境が変わらない限りはカビは生えます。

マンションは新築で建築して20年くらいかけてコンクリートの水分が抜けていきます。

そして、水分が抜けた頃が一番良い状態なんです。

築20年の中古マンションって聞くと古い~って思いませんか?

コンクリートの状態が一番良くなる時期に建物の価値が無くなるって変ですね。

コンクリート造なので気密性が良く、サッシの断熱性能が悪く、外部に面する壁や天井に断熱が施されていないと建物的には結露を起こしやすい状態です。

気密性は悪くする必要はないので、改修ポイントはサッシの断熱性能を上げる為に2重窓とする、天井と壁に断熱材を入れるという事。

築20年以上の建物はサッシだとガラスをペアガラスに交換してもサッシ自体の性能が低いのでアルミ部分が結露をしてしまう。

そして、目で見えない部分である壁や天井の断熱。 

一応、発砲ウレタンが吹き付けて断熱をしてあるマンションもありますが、吹付け厚さが薄いため見た目だけになっている。

結露というのは難しい。

冬に起きる事が多いが梅雨時に発生する事もある。

外が寒く、部屋の中が温かい場合に皆さんはエアコンかストーブをつけますよね?

エアコンもストーブも空気を乾燥させるので、暖房をつけている部屋の窓や天井、壁は結露が少ない。

しかし、寝室や納戸の様に直接温めていない部屋は湿度が高いはず。

そして結露もひどい。

前述しましたが、コンクリートから絶えず水分が抜けているマンションの場合は、築20年くらいまで気にして生活をしていても壁の内部から結露を起こしてしまう。

結露を防止するには、外と中の気温差を断熱によって小さくし除湿をする事が効果的です。

部屋の隅や家具の裏などは湿度を保った空気が滞留しやすいのでカビが発生しやすい。

この場合は換気をしたりして空気を動かして滞留させない。

要するに、結露というのは住まい方で変わるという事。

空家は結露しないんです。

それは水蒸気が内部で発生しないから。

古い木造の場合は隙間風があって空気が滞留しないのです。

しかし、現在の木造住宅は高気密住宅を売りにしているので、一酸化炭素中毒になるからとストーブ禁止という建物もある。

断熱性能も良くなってサッシの性能も上がったので、気にせず生活をする人も増えてきていると思う。

ただ、建物を作る際に手抜き工事をしてしまうと、内部結露といって壁の中が結露を起こして構造体をダメにしてしまう場合もあるので、時代が変化すると共に様々な問題も多様化してしまっています。

話しは最初に戻りますが、今週から始まったマンションリフォーム。

解体をしてみたら、結露だけでなく構造体からの雨漏れが・・

左は腰窓の下付近の壁

よく見ると石灰が出ているから結露ではない。

右はベランダの掃出しサッシ下付近の壁と床

一見、結露の様に見えるが、漏水からのカビ。

ジワジワと雨漏れをしている部分のコンクリートが湿ってカビを引き起こしてしまっている。

こればかりは見て見ぬフリをして工事を進める訳にはいかないので、マンションの管理会社に連絡をして工事をストップさせました。

数十年前のアルミサッシは水密性能が悪かったので、庇の無い部分にあるサッシは雨漏れしやすい。

庇が無く、雨が直接サッシに当たる場合は要注意です。

気づいていないだけで結構雨漏れしている家って多いんです。

リフォームは色々な業態から参入してくる会社が多い。

建築系でいえば、設計事務所や職人も請け負っている場合がある。

総合的な視野で現場を動かさなきゃお客さんにとっては不利益しかない。

すべてはお客さんの資産を守り笑顔が続く場を作ること。

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