いいのか 日本の建設業界

この記事は、2016年6月9日に公開したブログのアーカイブ記事です。

執筆:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)

名古屋市や尾張旭市周辺でリノベーションを通じて暮らしの提案をしている株式会社SOWAKA(旧杉工建設)の杉山です。

今日は新しく会社を作って継続していく事が難しい建設会社について書きたいと思います。

街中を車で走っていると新しいお店ができて、閉店して・・と建設業だけでなく色々な業種も同じなんだな~って思いながら運転をしている毎日です。

素朴な疑問。

お店を開店させる為に何百万円というお金がかかるのですが、すぐに閉店しているお店がある。

借金まみれなのかなぁ・・・ 

元気に暮らしているのかなぁ・・・

ちなみに、弊社が関わった店舗はまだ1件も閉店していません! 

すごい!がんばろうね!!

私が杉工建設(現SOWAKA)を設立した時、長女が生まれて2か月後でした。

妻が妊娠した頃にサラリーマンを辞めて、知り合いをツテに仕事をしながら会社設立の準備をした訳ですが、今となってはよく独立しようなんて考えたなと思います。

当時32歳。

愛知県屈指の頑固モノです。

現在、後輩達から独立を考えている等と相談を受けますが、いばらの道だよ?と必ず伝えています。

私も設立準備をしている時に知ったのですが、建設業をするための営業許可っていうものがあります。

いわゆる、建設業許可です。

他の業種だと色々だとは思いますが、資格などがあれば許可証の交付が受けられると普通は思いますよね?

建設業は違うんです。

まず、職人系の大工工事業や内装仕上げ業、左官業などの許可を取得するには経営を始めてから5年間分の発注元からの『間違いなく注文しました』という確認印が必要。

さらには建設業許可を取得している同業から『間違いなく〇〇さんは経営をしていました』という紹介の様なものまで必要なんです。

そして、弊社の様な総合的に元請事業として行うには上記の5年が7年となります。

500万円以上の工事を請け負うには建設業許可取得が必要。

要するに、職人として500万円以上の請負工事をするにはゼネコン等の下請けで大々的に人数を抱えて行う以外は稀で、一人親方であれば高額な機器の注文がなければ年間で1000万円くらいでしょう。

しかし、元請事業としてリノベーション工事を行うには500万円以下の工事の方が少ないので必要となる。

だから、リノベーションを提案するためには知識や技術があっても7年間は我慢していなければならない。

何かおかしくないですか??

私は個人事業主(一人親方)の経験があったので、その経験年数と現在の法人経営管理責任者経験年数の合算、一級建築施工管理技士資格証で建築一式工事業で許可を受けられましたが、取得するまでの期間は依頼があっても受注できなかったり許可申請書類の作成にとても苦労しました。

また、許可申請をする時には銀行に500万円以上の預金がある事の証明書も必要だったし、申請するだけでもとてつもないお金が必要でした。

独立して真面目にコツコツとやっていては私の様に苦労する。

だいたい、ハードルが高すぎるんですよね。

5年~7年間も独立する頃の想いを継続的に持ち続けて、貯金もしなくてはいけない。

悪いことをして許可の取得をしている人もいますが、取り消しになったら全て終わり。

取得できた頃には創業の想いを忘れてしまいそう。

今は普通に『リノベーションの提案をしている・・・』なんて言っているけど、どんなけ夢を見た事か。

リフォームだと500万円以下の工事が多いのですが、リノベーションは500万円以下は無い。

こんな事からリノベーション会社の数がリフォーム会社の数に比べて少ないのも訳があるんですねー

いま、リノベーションができて幸せ。.

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