光の教会と出会ってから
この記事は、2021年7月5日に公開したブログのアーカイブ記事です。
執筆:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)
こんにちは。
名古屋市や尾張旭市周辺でリノベーションを通じて暮らしの提案をしている株式会社SOWAKAの杉山です。
もともと建築家 安藤忠雄氏やフランクロイド・ライト氏の建物が好きで、建築見学が趣味の私は子どもが生まれるまでは折り畳み椅子と水筆、画板を持って旅行へ行っていました。
小学生レベルなのにニューヨークで絵を描いていた時は私の周りに人だかりができてちょっと恥ずかしかった思い出があります。
絵は上手ではないのですが、その贅沢に使う時間が好きで描いていました。
この写真はちょうど13年か14年前(笑)に私が結婚式をした場所です。
通称「光の教会」と言われるこの建物は正式にはプロテスタント系の日本基督教団 茨木春日丘教会という名称で、1989年に安藤忠雄氏が設計した建築物です。
どうしたいか
まず、何かをする時にどうしたいかを決めるところから始めると思います。
結婚すると決まった時、私は高砂殿の様な場所で結婚披露宴をすることが想像するだけで嫌でした。
だから最初に妻へ伝えました。
そして、どうせなら「光の教会」で親族と親しい友人のみで祝儀も受け取らずに行いたいと。
ちょっと変わった夫婦なので、それで合意。
安藤忠雄氏の著書で「光の教会」という本があります。
その中に教会を作る為に軽込牧師と安藤氏、実際に建築作業をする工務店の葛藤が面白く描かれていて、安藤氏だけでなく軽込牧師のファンにもなってしまった私たちは次の日に茨木春日丘教会へ電話をしました。
想いばかりぶつける
その教会で結婚式を挙げさせてほしいと伝えたところ、意外というか、当たり前に・・・
「教会は結婚式場ではありません!」
ピシャリ(笑)
そりゃ、そうでしたよね。
何事にももう少し考えないといけなかったですね。
ただ、「日曜礼拝に一度いらしてください」という救いのお言葉をいただいたので次の日曜日の早朝に愛知県を出て大阪まで行きました。
そこで、毎週通ってくれるなら1年後に牧師と面談をして考えようということになり、私たちの都合ではなく結婚式は早くて1年後と決まりました。
20代後半だった私の世間知らずというか、無計画というか・・・(笑)
ただ、想いは伝わったみたいでした。
努力する!
結婚式場で式を挙げるためには皆さんはどうしますか?
一般的には、頑張って働いてお金を貯める! に尽きると思います。
私の場合、お金の問題ではなく牧師さんに認められないと式を挙げられなかったという何とも変わった状況でした。
往復400キロの道のりを毎週日曜日に通って日曜礼拝をすることが条件なので通うしかない。
しかも、礼拝は1時間だが、ほとんどが牧師さんの説教(聖書を解説してくれる)だ。
信仰心の無い私にはイエス様だとかヨハネがどうのこうのというのはどうしても眠かった。
そんな通い続ける私たちを見て牧師さんが、同じ系列の教会が名古屋にもあるからそこの日曜礼拝に行ってもココに通ってもどちらでもいいよと言ってくれた。
そして、7月に初めて光の教会へ行ってから年が明けて2月頃のこと、牧師さんが「次回の日曜礼拝の後に少し話をしようか」と。
えっ いい話?悪い話?
周りにとけ込みながら自分の場所を見つける
3月初旬の少しポカポカした日だったと思う。
洗礼を受けていないだけで、賛美歌もだいぶ覚えてキリストの教えについて受け入れている自分がいた。
牧師さんからは約束通り、7月に使っても良いとの許可が出た。
そして、どういう結婚式にしたいか、以前に信者が結婚式を挙げた時はどんな感じだったか、洗礼を受ける気はないか・・など2時間くらい話しをしてくれました。
でも、一番ビックリしたのが、なぜ結婚するのかと・・・
結婚式場のコーディネーターはそんな話しはしませんよね(笑)
牧師が興味本位で聞いているのか、真剣に聞いているのか分からなかったので真剣に答えました。
両家へ挨拶に行った時でさえそんなに真剣に話しをしていないのに・・
私たちが話しをしている相手は軽込牧師。
あの有名な軽込牧師が普通に話をしてくれている。
その日からというものの、全て自分達で考えて手配しなければならないので、案内状を作ったりドレスなどの手配やカメラマン、そして日曜礼拝。
忙しかったです。
そんな日々を過ごして念願だった光の教会で親族と友人のみの結婚式を挙げました。
しかも、茨木春日丘教会の信者の方々が色々と手伝ってくださり、パイプオルガンも演奏してくださいました。
目的が達成したら感謝する
式の後も通いました。
ある日、軽込牧師が私たちのところに来て、「今ね、牧師会館の建て替えで安藤さんと打合せしているんだよ」とか、「今日は安藤さんはドコドコにいるよ」などと教えてくれる様になりました。
ちなみに、すぐに会いに行きました。
安藤忠雄氏と会い、光の教会で結婚式をしたことなど話しができたのも、本来の用途とは違うにも関わらず広い心で私たちを受け止めてくださった軽込牧師のおかげ。
子どもが小さいうちは行けなくなってしまいましたが、毎年、年賀状でご挨拶をしていました。
残念ながら式から4年後に軽込牧師が入院してしまい、牧師も変わってしまい、新型コロナウィルス感染拡大防止で一般参加がさらにできなくなってしまいましたが、今回(7月4日)は愛知県から来たにも関わらず私たち5人だけ日曜礼拝に受け入れてくれました。
礼拝の最後に現 大石牧師から私たちのことを参列者に話してくださり、温かい拍手をいただきました。
今は3年に1回しか礼拝に行かず、突然に訪問したにも関わらず嬉しかったです。
私は無宗教家です。
仏さまも神さまもイエスさまも好きです。
宗教による争いごとが多い世界ですが、受け入れることを楽しんで生活をすると感謝しかないかもしれませんね。
私たちSOWAKAはいくつか宗派が違う社寺の改修に関わらせていただいたり、様々な宗教を信仰しているお客様ともお会いしています。
誘われます。
でも、木造だけではなく、コンクリート造だけでもなく、鉄骨造や軽量鉄骨造、プレファブ・・・などなど様々な構造を触っている弊社だったり、私は何か1つにこだわって進むより、色々な視点でお客様の悩みを解決していけた方が良いかなと考えています。
リノベーションを考えたとき、
・どうしたいか、
・想いを私たちにぶつける
・普段見る事や考えることがない家のことを私たちと一緒に努力して先を考える。
・完成して引越したら、周りにとけ込んでいく
・目的が達成したら周りに感謝する
人は独りでは生きていけない。
そしてお金だけのことでもないので、とても大事なことですよね。
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