初めて設計した店舗が20周年
この記事は、2021年4月12日に公開したブログのアーカイブ記事です。
執筆:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)
こんにちは。
名古屋市や尾張旭市周辺でリノベーションを通じて暮らしの提案をしている株式会社SOWAKAの杉山です。
つい先日、私の自宅にお客様がご夫婦で来てくださいました。
ちょうど20年前に私が初めて店舗を設計して作ったお店のオーナーです。
飲食店のお店を3年、7年と続けることが難しいと言われている中で、20年ってのは凄いことです。
弊社も4月から14年目に突入しましたが、住宅メインの会社なので年間3~4軒ペースで店舗の改修や新設工事をしていて、今までに私が作ったお店は今のところ1軒も倒産していないのですが、このお店を作ってから20年間記録がずっと続いている最初のお店でした。
元々、ビルやマンションなどコンクリート造の建物ばかり作るゼネコンの現場監督をしていた私でしたが、転職活動をしている時に依頼を受けました。
設計士を目指して建築工学科を卒業したにも関わらず、学校での製図があまり面白くなかったことから現場監督になった私。
課題以外に設計をするのは初めてで、店舗の導線や法令、機器についても全く無知だったのにチャンスだと思って「やれる」と言ってしまった(笑)
それはお客様も知っての事でしたが・・・
当時のゼネコンの現場というのは、職人さんに対して
「こういう方法で作ってください」
ではなく、
「こう作れ!」と上から目線で命令をする様に教え込まれていた事と、現場監督はビルやマンションの開発販売会社から仕事を請け負っているので消費者であるお客様とは会わない。
私の場合、職人と上司以外と会うような立場ではなかったので、直接自分がお客様と職人の間に挟まれた経験が無く、作る知識と人を動かす言葉を知っているのにゼネコン以外でコミュニケーションをどう取ったら良いか分からない自分が居ました。
結果的に、絵は描いたけど設計図になっていない・・・
現場監督出身なのに、小さな店舗ひとつも現場を動かせられない・・・
コミュニケーションが取れず口下手状態の私を見て職人さん達が助けてくれました。
ビル等を作る職人さんを丁場、一般住宅など比較的小規模の建物を作る職人さんを町場といいます。
私はそういう教育だったので仕方がないのですが、町場をとても馬鹿にしていました。
しかし、助けてくれたのは町場の職人さん達。
一日に数百人という職人さんが作業をするゼネコンの現場で、私は知識も経験も無いのにプライドだけが高くなって高圧的に人を動かし、作ってきたのだ・・・
半年に1日しか休みが無かったので、少し休憩のつもりで転職をしようと考えていたのですが、職人さんの「心」に胸を打たれて町場にのめり込みました。
私も建築の勉強を始めて25年。
そして、この14年間も色々とありました。
普通に涼しい顔をして「20周年なんだ」と顔を出してくれたお客様にもきっと色々では片付かないほどの出来事があったに違いない。
単純に「建築」というものに憧れ、モノ作りに心を奪われ、職人との男社会に愛を感じながら好きで好きでたまらないこの仕事も、昨今の難しい社会情勢下や忙しさから時に情熱を失い、周りに助けられながら藻掻いているのが現実かもしれないです。
私はまだ25年くらいはこの業界で働ける年齢。
まだ折り返し地点。
この先は保証を履行する作った責任や、挑戦、社員の教育や旅立ちを楽しみながらやっていけたらなと思っています。
いつか、20周年と涼しい顔で言いたい。
株式会社SOWAKA
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