いま、狭い家を選ぶメリットとは?

この記事は、2019年12月5日に公開したブログのアーカイブ記事です。

執筆:坂本真由(株式会社SOWAKA・代表)

理想のマイホームはどんな家ですか?

住宅展示場を見学したり、雑誌を見ながら「こんな家いいよね」と会話がはずむ時間は楽しいですよね。

理想のマイホームづくりに欠かせないのが、家族がどんな暮らしをしたいのかを整理すること。

生活スタイルは常に変わるものの、これからどんな暮らしをしていきたいのか話し合うことが、とても大切だと感じています。

暮らしに合った家の大きさ

そして、どんな暮らしをするのかイメージしながらも、私たちはさまざまな場面で価格と同じように気になるポイントが「家の広さ」ではないでしょうか。

一概にこの広さがにしたい!と最初から決めている人は少ない気がします。

自分たちに合う、「ちょうど良い家の広さ」とはどれくらいなのか。

どんな暮らしがしたい?ということを考えるきっかけとしても、家の広さは重要なのかもしれません。

あえて選んだ「せまい家」

「広くてステキな家に住みたい」

あえて、せまい家を選ぶ人は少ないかもしれません。

でも近年は”あえて”せまい家を探す人が増えているのをご存知ですか?

「”狭い家”と”広い家”なら、どちらがいい?」もしもそう問われたら、たいていの人は広い家を選ぶことでしょう。
そんななか、あえて狭い家の魅力について考えようとしているのが、きょうご紹介する『あえて選んだせまい家』もっと広い家で、もっと欲しいモノに囲まれて。
そんな風に“もっともっと”と思い続ける時代では、もしかしたらもうないのかもしれません。
(著者:加藤郷子 発行:(株)ワニブックス)

インテリア、料理など暮らし全般を専門分野とするフリーランスの編集者・ライターである著者が、狭い家で家族と心地よく暮らしている人たちを取材したもの。

各人が、狭い家を選択した理由、家づくりについての考え方、工夫とアイデアなどを明かしています。

「あえて選んだ せまい家」での暮らしはとても興味深いものでした。

なかでも、夫婦と子ども3人の5人で暮らしている私は、55㎡の住まいに5人で暮らすお宅の紹介ページを見入ってしまいました。

やはり、そこに住まれている世帯人数と、自分自身の境遇が一緒だと比べてしまうもの。

私は100㎡の平屋住宅に住んでいます。

平屋住宅としては、とても広い家だと思います。

我が家は、ちょうど気に入った中古住宅と出会い購入したので、最初から広い家に住みたかった訳ではありません。

ですが、「1人部屋が欲しい」という子供たちの声を聞くと、「もう少し広い家がいいな」と思う時もありました。

先ほど紹介した55㎡のお宅は、我が家と同じ5人暮らしですが、我が家の約半分の広さしかありません。

最初は「どうやって住んでいるの?」という気持ちが正直な気持ちでした。

「必要なものはちゃんとある。でも不要なものは持たないからシンプル」

全く窮屈さを感じさせない暮らしかた。

本の中で紹介されている写真を見ているだけでも、ゆったりとした空気感が心地よく感じるのです。

憧れと同時に、もっと広い家がいいと思っていた自分の考えが変わっていくのに気づきはじめました。

住宅の平均坪数は?

坪数は住宅の広さを表すもので、暮らしかたに合う坪数は間取りや世帯人数によって変わります。

そして住む場所によっても家の平均坪数は大きく変わります。

「2018年度フラット35利用者調査」では、2018年度に建てられた住宅の平均床面積が報告されています。

これによると、東海圏の中古戸建ての床面積の全国平均は約122.5平方メートル(約37坪)、中古マンションの床面積の全国平均は約77.5平方メートル(約23坪)になっています。

いずれにしても、東海圏は全国の中でも広い傾向なのですね。

この結果からもわかるように、住宅の平均坪数は地域によってばらつきがありつつも、全体的にみて床面積は年々縮小しているようです。

その原因として、家族構成の変化により世帯人数が減っているという現状も関係しているのではないでしょうか。

核家族が増え、大きい家が必要ではなくなってきたと言えます。

また、住宅ローンの負担を減らすために、家の広さを小さくして建築費を抑えたいという人も増えています。

家を建てる人の考え方が変化してきたことによって、多額の住宅ローンを抱えてつましく暮らすより、日ごろの生活を楽しみたいと感じる人が増加しているのも、冒頭に紹介した「あえて選んだせまい家」と共通しているのかもしれません。

生活のゆとりをえらぶ選択

住宅ローンが必要最小限で抑えられたら、趣味や教育、貯蓄に資金を回せるので、利用頻度の少ない部屋を用意したり、見栄を張ったりする必要はないという考えが一般的になるのも当然のことかもしれません。

結果的に、建築する家も現実的なサイズになってきたといえるのではないでしょうか。

私には、家にはお金をかけず、旅行など体験することにお金を使っている友人がいます。

だからといって、家にいる時間も大切にしているので、すっきりとしたオシャレなお家に住んでいます。

今、ひとり部屋が欲しいという子ども達は、ひとつの部屋を3人で使っています。

彼女たちなりに、棚やテーブル、ダンボール(笑)を集めてきて、ひとりひとりのスペースを自分たちで創り上げました。

入口には「◯ ◯ ◯の部屋だから入るな」という張り紙が貼られています。(笑)

今のところ、彼女たちはとても満足しているようです。

それを見ていて、工夫次第でどんなこともできるんだと感じさせられました。

結局はどんな暮らしがしたいのか

私たち人間には欲があります。

もっと広い家、もっと素敵な家、雑誌に載っているようなインテリア。

「あえて選んだ せまい家」の著者は、こう締めくくっています。


狭い家で豊かな暮らしをする人たちは、自分たち家族が大切にしたいことの優先順位をよく分かっています。

狭いことを前向きな選択肢として捉えて、あらゆる工夫をし豊かな暮らしとして選択しています。


新築住宅を建てる時、中古住宅を購入する時、リノベーションやリフォームをする時、私たちは多くの選択肢の中から、ひとつひとつ選択をしています。

どんな選択を選んでいくのか。

それは住宅会社やリノベーション会社によっても、見えてくる選択肢さえ変わってきます。

どんな暮らしをしていきたいのか、そのサポートをする会社はどんな会社がいいのか。

私たちSOWAKAは、溢れる選択肢をお客様と一緒に考えていきたいと思っています。

私たちが決めるのではなく、お客様がこれから住む家だからこそ、お客様の想いを汲み取りサポートできるように心がけています。

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