不動産屋+工務店の考え

この記事は、2015年11月11日に公開したブログのアーカイブ記事です。

執筆:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)

こんにちは。

名古屋市や尾張旭市周辺でリノベーションを通じて暮らしの提案をしている株式会社SOWAKAの杉山です。

先日、瀬戸市の不動産屋さんと話をする機会がありとても勉強になったのでブログに綴りたいと思います。

瀬戸市は陶磁器で栄えた街で人口は13万人で名古屋市のベッドタウンとして住宅も多い。

そして元々は山だった土地なので造成をして建っている家が多い。

弊社事務所のある尾張旭市も同様ですが、市街化調整区域が広範囲にあるため建替えが不可な建物も多いのでリノベーション、リファイニングはできないものかと考えていましたが、意外な答えが・・・

不動産屋さん曰く・・

瀬戸の人は岩盤だから・・や固い地山だから安心という根拠の無い迷信を信じている。

おそらく、建てる時にそう聞いたのだろう。

地元の大工さんに建ててもらった建物がほとんどで、高さ2Mを超える造成をしたり地盤改良がされていなかったり。

中古で流通している建物は、2年の瑕疵担保責任を不動産会社が負わなければいけないから、取り壊しをする事を勧めている。

建替え不可の物件はあるけど、不動産会社としては何の利益にもならない。

建物もいい加減な造りで、鉄骨系のハウスメーカーの建物以外は売れ残るから、自社で買って販売するなんて事は首を絞めるからできない。

木造住宅のほとんどが基礎から傾いていて、白蟻被害もあるからリノベーションをしても資産価値なんてないよ。

だいたい土地が名古屋市や尾張旭市の西側に比べて安く、1000万円あればある程度の敷地の中古戸建が手に入る。

そこに700万円くらいのリノベーションをして1700万円。

じゃあ、2年後に売却しようとしたら改修の程度もあるとは思うけど1000万円以下の販売になる。

良いと思う?

だから、都会のリノベーションの様に不動産に付加価値が出る地域じゃないから更地にした方がいいんだ。

なるほど・・・

この不動産屋さんは売れるとか売れないだけではなく、ちゃんと売主も買主の事も考えて更地を提案しているんだと理解できた。

とても信頼できる人。

リノベーションやリファイニングでお手伝いする事はできないのかもしれませんが、常に自分の立ち位置を見ながらお客さんに提案していることに感銘を受けました。

そして、土地柄この瀬戸市、尾張旭市、長久手市、日進市周辺は同じなんだと。

確かに、この地域の建物は名古屋市に建っている建物に比べて悪い。

その答えは地元の工務店や職人の質が悪かったという事。

職人が請けて工事をする事がありますが、単一商売の建築関係者が20業種を束ねて1つの建物を建築しようとしてもできないのは明らか。

そんな簡単ではない。 

改修はそこに年代も加わるのでもっと難しい。

不動産屋さんが言うとおり、基礎から傾いた家は建て替えた方が良い。

土地を売るプロ、建物を作る改修するプロ、販売するプロ 

しっかりと自分の家と向き合うなら「安物買いの銭失い」にならないように話ができるプロ達と付き合ってほしいものです。

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