大谷石とテラコッタに魅せられて
この記事は、2021年10月11日に公開したブログのアーカイブ記事です。
執筆:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)
こんにちは。
名古屋市や尾張旭市周辺でリノベーションを通じて暮らしの提案をしている株式会社SOWAKAの杉山です。
先日、愛知県常滑市にあるINAXミュージアムに行ってきました。
今はINAXという名称はLIXIL(リクシルグループ)という名前になってしまいましたが、元々は伊奈製陶所という会社で明治時代からの老舗陶器メーカーでした。
昭和時代になって戦後にINAXという社名になり、2001年にサッシメーカーのトステムと経営統合して現在のLIXILグループとなりました。
もう少し別の視点でお話をすると、実は明治時代から2001年まではTOTOやノリタケカンパニーと同じ『森村グループ』という企業集団の一つだったので、INAXもTOTOも同じでした。
いわゆる、森村財閥の陶器部門だった訳です。
ビックリですよね。
私も20年前にINAXが森村グループを脱退する時に初めて知りました。
さて、今回はトイレの話しをしたいのではなく、リノベーションの話しでもなく、旧帝国ホテルのお話です。
「明治村」
愛知県民なら1度は行ったことがあるのではないでしょうか。
駐車場の正門から入場して一番奥にある建物が旧帝国ホテル正面玄関。
明治村だから明治時代の建物ばかりかと思いきや、大正時代に東京で建築されたものなんですね(笑)
この旧帝国ホテルはアメリカ人建築家フランクロイド・ライト氏が設計したもので、私は中学生の時に社会見学か何かで初めて見てから大好きな建物です。
もう何度見に行ったことか。
正面に池があるのですが、その池の向こうに佇む巨匠の建物を1時間くらい座ってスケッチしたり、同じ写真なんて何枚も持っているのに写真を撮ったり・・・
撮り鉄ではなく、撮り建です(笑)
ホントに美しい。
一番上にある写真はINAXミュージアムに保管されている旧帝国ホテルの一部分です。
少し緑がかった大谷石と素焼きのテラコッタが絶妙な雰囲気を醸し出してくれています。
INAX(伊奈製陶所)はそのテラコッタを常滑市で製造をして納品をしたとされています。
この旧帝国ホテルですが、建築費用が設計変更を繰り返したことにより当初より6倍もかかったらしく、総支配人が辞任をして、ライト氏も途中でアメリカに戻ってしまったらしいのです。(解任されたのでしょうね)
この頃の建築家はサグラダファミリアで有名なガウディ氏も同じですが、費用の事なんて考えていないのでしょうね。
サグラダファミリアなんて、当時の技術からしたら完成しないものを作り始めた訳ですから建物というより大きな美術だったのでしょうか。
そして、ライト氏の日本人一番弟子が引き継いで完成したお披露目会の準備をしている時に関東大震災が起きて東京が壊滅状態になったという歴史があります。
旧帝国ホテルはほとんど被害がなく、第二次世界大戦でも鉄筋コンクリート造だったので全焼は免れ、昭和42年まで使用しました。
その解体をして移設したのが明治村とINAXミュージアムに保存されているということなのです。
愛知県民で良かったです。
フランクロイド・ライト氏が好き過ぎて30代前半にニューヨークにあるグッゲンハイム美術館も行ってきました。
こちらは、帝国ホテルとは装飾の感じも全くことなる渦巻状の真っ白な建物です。世界的に有名な建物なんです。
ライト氏は家具や装飾品のデザインでも有名です。
あるお客様から1階から2階へ登れるキャットタワーを中心にしたリノベーションを依頼された時に、一番にデザインとして頭に浮かんだのがライト氏のスタンド照明でした。
そのスタンド照明とグッゲンハイム美術館の渦巻を加えて螺旋階段のキャットタワーを作りました。
それが↓コレ。
上から見下ろした写真なのですが、正方形の板が螺旋錠に配置されていて、板の目も螺旋に合わせて向きを変えて、板の端部の色を段によって塗り分けをしています。
私の自己満足を採用してくださって有難うございました(笑)
だいぶ本題からズレてしまいましたが、建築は楽しい!
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