【住まいのQ&Aシリーズ第2弾】親族所有の建物をリノベしたいとき

この記事は、2021年2月21日に公開したブログのアーカイブ記事です。

執筆:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)

こんにちは。

名古屋市や尾張旭市周辺でリノベーションを通じて暮らしの提案をしている株式会社SOWAKAの杉山です。

今回は幸運にも親や親戚が住んでいた、持っている建物がある方へのQ&Aを書いてみようと思います。

Q 親族が所有している家ってどんなこと?

A:親や祖父、祖母、親戚のおじさんやおばさんが持っている建物で、この話の場合はお客様が相続して所有者となれる土地、建物です。

全国には所有者不明も含めて空き家が840万戸あります。

全く使えないような廃屋も含まれていますが、まだまだ使える建物は数百万戸あるはず。 

相続したけど忘れていたり、相続したけど家を持っているから使用せず親の残した土地だからと売却できず・・・という方も多いみたいです。

2015年に「空家等対策の推進に関わる特別措置法」が施行されて、住めない様な腐朽した建物の数は減少し始めてきましたが、空き家の数は増加したままとなっています。

Q 調べてみたら土地、建物があったがどうしようか・・・

A:何でも余っているものは自分名義にしよう!ではない。

色々な思い入れが詰まったものから、降って湧いた話であってもよく考えてみましょう!

まず、自分名義にすれば使っていなくても税金が取られます。

弊社は愛知県の尾張旭市に事務所があるのですが、都市部になればなるほど税金が高くなります。

名古屋市よりも緑豊かな尾張旭市でも住宅用地を所有していると数十万円は固定資産税を払うことになります。

東京だとどれぐらいかかるのでしょうね?(笑)

まず、その土地建物を相続できる人と話し合いましょう。

お金がかかる・譲りたい・興味がない方は相続を放棄することとなりますが、その方にとっては損をした訳ではなく得をしたのかもしれません。

もし、自分が相続することになった場合も使う・そのまま・売却の選択となります。

手続きや士業の紹介もできるのでご相談ください。

Q 誰も使っていない家があるけどリノベできるのかな?

A:物理的にはどんな建物でもリノベをして住める状態にできます。

ただ、築年数が古かったり、空き家になってから年数が経過しているなど状態が悪い場合は費用がかかり過ぎてしまいます。 

見た目だけならどんな建物でも綺麗に見せることはできますが、最低でも15年は最小限のメンテナンスだけで住み、30年は住みたいものですよね?

その建物が建った時の生活レベルで我慢ができるのであれば元に戻すだけなので簡単ですが、現代の暮らしに合わせた建物にするには生涯に家の為に費やす費用を考えると新築に建て替えた方が安い場合もあります。

Q 上等な材料で大工さんに作ってもらった家だからと言われているけど・・

A:私たちもよく聞きますが、目の前にするとなかなか言いにくいから文章にします。

今までその話を聞いて上等な材料と思ったことも、良い腕の大工さんが作ったと思ったのは、ほんの一握りでした。

逆に、そう聞いた家ほど粗末な材料で雑に作られていることの方が多いと感じる。

その教えてくれた方の想いなので、もしかしたら良い建物かもしれないと聞き流す程度にした方が良いと思います。

親戚の方に反論するのはやめましょう。

Q リノベーションして住みたいのですが、ローンって組めますか?

A:ローンにも色々な種類の金融商品があるので、詳しくは銀行などの金融機関に聞いてみてください。

一般的には、負債がないこと、3年以上継続して勤務している、安定した所得があるなどと言われています。

住宅ローンを組む場合、金利は安いのですが色々と制約もあります。

借りたお金が返せなくなってしまったら、金融機関はその土地建物を取り上げて競売にかけ売却して損失を少なくします。(抵当権の設定といいます)

だから、基本的にはお客様がその土地建物を所有して住まなければならないです。 

他にフリーローン等もありますが、金利は5倍から8倍は高くなるのでどこまで夢を実現したいかよく考える必要がある。

Q ローンの審査が落ちてしまったから別の金融機関へ相談に行こうと思う

○○銀行で審査が通らなかったから別の△△銀行で住宅ローンの申請をしよう!って考えている方もいると思います。 

1つの場所で審査が通らなかった方は何度場所を変えてもダメなのです。

なぜかというと、ローンを貸し出すのは銀行等の金融機関ですが、金融機関は貸し倒れ(返済が滞ったとき)が起きないように信用保証会社へ調査依頼をするのです。

○○銀行も△△銀行も□□信用金庫も同じ信用保証会社に依頼をしていることが多いので、どれだけ金融機関へ素晴らしい未来のプレゼンをしてもその時の話し方が悪かったとか、この銀行が分かってくれないとかではないのです。

世の中にはそれでもお金を貸してくれるところは数多くあります。

ただ、事前審査で難しかった場合は自分自身の何か足りない部分があるはずで、気持ちは理解できますが本当は借りてはいけない方なのです。

返済が滞った場合の未来は悲惨になります。 

思い当たる部分を改めて、数年は待ちましょう。

Q 御社はフラット35リノベに適合しますか?

はい。弊社の標準仕様でリノベーションをすれば全く問題なく技術基準をクリアしています。

Q 相続をして家をもらう予定だからリノベをしたいが何か問題はありますか?

A:相続ができればリノベーションをするのは何も問題がありません。

よくあるケースでは、ちゃんと親戚と話し合わずに話を進めてしまい喧嘩になってしまうこともあるので長男だから・・・長女だからではなく、相続の権利がある人たちと話し合って貰うなり、買うなりして解決して相続が決定してからでないと工事は着手してはいけないと思います。

Q どんな家だったら相続して住める?

バランスが良いのは木造だと築25年まで、鉄骨造や軽量鉄骨造だと築35年まで、鉄筋コンクリート造も築35年まで。

新築で建てるとほとんどの方は12年目から20年目までの間に1回は屋根、外壁のメンテナンスをしています。

その頃位までは建物も大事にしてもらっています。

ただ、2回目のメンテナンスが無い方が多い! 

2回目は築24年~築30年で1回目よりしっかりとメンテナンスをしなければならないのですが、そこができていない建物がホントに多いです。

1回目の時はまだ比較的新しいから・・という理由からあまり費用をかけない。

そして2回目も1回目と同じ予算組みなのでリフォーム会社を3社ほど集めて安い業者にお願いしてしまう。

次は人間の心理ですが、築30年が経過すると建てた家主も高齢になってくるので「どうせ先は長くないからそのままで良い」となってしまうもの。 

ここではメンテナンスをすることが立派な家という感覚になってきてしまっている。

建物はメンテナンスさえしっかりやっていれば、木造でも50年60年は普通に建っている。

鉄骨や鉄筋コンクリートを築35年までと前述したのは、意外と建築費用が高かったからなのかメンテナンスをしていない建物が多いから。

メンテナンスさえすれば70年、80年なんて全く問題ない。

その時、SOWAKAは何を考える?】

そういう親や親戚がいるというのは世間的にも羨ましい限り。

1から土地と建物を買うとなると、費用もかかりますがローンの場合だと社会的信用もかなり必要となります。

サイクルについて

日本は欧米に比べて建替えをするサイクルが半分です。 (日本が35年に対して欧米は70年位)

例えば、おじいちゃん、お父さん、僕の3代で考えてみましょう。

日本ではおじいちゃんが5000万円で土地と建物を買ったとする。

35年後にお父さんが2500万円で建替えをした。

そして、僕がその35年後に2500万円でまた建替えをして新築を建てたばかり。

日本のこの一家は70年間で1憶円を土地と建物に費やしました。

同じ計算で欧米だとどうでしょうか。

おじいちゃんが同じく買って。

35年後にお父さんが1000万円でリノベーションをしました。

その35年後に僕が1500万円でリノベーションをして引渡をされたばかり。

欧米のこの一家だと70年間で7500万円で、日本に比べて2500万円も生活が楽です。

国や業者の洗脳

これは、物価などが違うので単純には計算できないことではありますが、日本で脱スクラップアンドビルドという考え方を持てば働き過ぎている世の中のお父さん達も少し楽になるのではないでしょうか。

建物をどんどん作り直して経済を回しましょう!っていう国策なんですよ。

こうやって私たち建設業者が日本国に守られてきました。

いつかはマイホーム! 

これはただの不動産会社のキャッチコピーと思うべき。

建物を建替えるにはCO2の排出量も増え、森林伐採もあり石油製品等も使うので環境には悪い。

だから、これから新築を建てる方は70年使いましょう!

改築(リフォームやリノベーション)をする方も35年は住みましょう!

70年、35年使える建物を作ってくれる建設会社を探すのがお客さまです。

家にお金を使ってばかりいては、ホントにくだらないお金の使い方だと思う。

お問い合わせはメールまたはお電話で

(受付時間 9:00~18:00 日曜定休)

名古屋 SOWAKA