アドレスホッパーという暮らし方
この記事は、2020年2月5日に公開したブログのアーカイブ記事です。
「やっぱり我が家が一番、落ち着くね」
年に1回、実家に帰省してから自宅に戻ったとき、私がつぶやく一言です。
昔は実家が一番落ちつく場所だと思っていた私も、いつ頃からなのか、落ち着く場所が今の住まいへと変化していきました。
私は高校を卒業後、専門学校に通うため熊本の実家を出て福岡で1人暮らしを始めました。
専門学校を卒業すると同時に、就職先の愛知県へ引っ越し働きはじめました。
働きはじめてからはずっと愛知県に住んでいますが、気付けば親元で暮らした月日と同じ年月が経とうとしています。
そして、10年前に築43年の中古住宅を購入しリノベーションをして住みはじめました。
結婚して数年間は賃貸に住んでいましたが、「自宅が一番落ち着く」と思いはじめたのは、自分の家を建てたことがきっかけだったのかもしれません。
アドレスホッパーという暮らし方
皆さんはアドレスホッパーというライフスタイルをご存知ですか?
アドレスホッパーとは、自宅をもたないスタイルで、決まった住所に長期間定住せず、各地の宿泊施設やホテルなどを転々としながら生活をするスタイルの事だそう。
多拠点生活と言われていたライフスタイルと似ているともいえます。
数年前からAirbnbいう、民泊サービスが流行り出し、さまざまな地域を転々としながら生活をしている人が増えていることは知っていましたが、そのような人のことを「アドレスホッパー」ということを、私はニュース番組の特集で知りました。
持っているものはスーツケースひとつ。
そのようなライフスタイルが注目されているのも、オンライン環境やこれだけのインフラが整ったからこそ可能になった、新しい暮らし方のかたちかもしれません。
住所登録はどうしているのか?
仕事はどうしているのか?
子どもの学校はどうするの?
など疑問がたくさんありますが、特集されていたアドレスホッパーの方々はなんだかとても楽しそうに生活をされていました。
ニュース番組のコメンテーターの方々は、「落ち着かないのでは?」などコメントをされていましたが、いくつかの地域に住んだことがある私にとっては、興味深いものがあり、アドレスホッパーについて少し調べてみました。
まず気になる「住民票はどうするの?」という疑問。
やはりどこかしらに住民票の登録は必要らしく、多いのは友達の家、職場、シェアスペースなどらしいですが、実家が現実的にも多いのかもしれません。
その住民票を登録している場所に対して住民税も支払われているそうです。
次に「仕事」はどうしているのか?
調べてみると、リモートワークの仕事が多いようです。
確かにそうじゃないと難しい。
あとは、農家の繁忙期を手伝うとか、ゲストハウスに住み込みで働くとか、短期の仕事で収入を得ている人もいるようです。
それも新しい出会いがありそうで楽しそう。
ただ多くの職業の場合、なかなか難しいかもしれませんね。
最後に、子どもがいる家族が、そのような生活ができるのか?
まずほとんどいませんでした。
子どもと奥さんは家に住んで、ご主人だけアドレスホッパーの生活をしている方はいらっしゃいましたが、それは単身赴任?なのかと思ってみたり。
子どもたちは学校に通ったりする必要があるので、週末だけ地方に行くスタイルはできたとしても、子どもがいる家庭にとっては、なかなか取り入れられない仕組みなのかもしれません。
毎日泊まる場所を変える人もいれば、1週間、1か月ごとに暮らす場所を変える人もいます。
また、自宅を拠点としながら、地方に仕事やプライベートとしていくつかの拠点を持ちながら生活をする人もいる。
色々な地域に住んだ経験がある私も、それぞれの地域にそれぞれのいいところがいっぱいあることを知っています。
それを経験できるアドレスホッパーというライフスタイルは、とても興味深いものでした。
ずいぶんと昔になりますが、「わたし、3拠点生活をする!!」なんて旦那に話したことがあります。笑
なんの根拠もなく、自信もなく突発的に話したのですが、将来そんなライフスタイルも当たり前となるのかもしれませんね。
価値観が変わるライフスタイル
日本には、日本ならではの文化がありますが、地域ごとによって異なる文化も多々あります。
この地域では当たり前の生活が、違う地域では当たり前ではない生活がある。
まだまだ日本のことで知らないこともたくさんあります。
もっと広い価値観に触れてみるのも楽しいかもしれませんね。
よく「賃貸がいい?購入がいい?」という問いかけが、色々な立場の意見でされているのを見ます。
一概にどちらがいいということはなく、人それぞれのライフスタイルに合ったスタイルを選択していけることが大切なのかなと思います。
あるアドレスホッパーの方が、
「アドレスホッパーの本当の魅力は、家を持たないことではなく、毎日新しい出会いがあることなんです」
「ひとつの場所やコミュニティに留まりつづけず、どんどん移動して「自分の常識」を剥がしていければいいな」
そうおっしゃっているのを拝見したことがあります。
アドレスホッパーというライフスタイルに興味がある私にとって、今、帰る家があるからこそ、そういったライフスタイルを取り入れてみたいと思うのかもしれません。
そしてその「帰る家」が自分にとっても落ち着ける場所だからこそ、視野が広がるのかもしれません。
当たり前に毎日帰る家があるけれど、この大好きな家に住めているのも、自分たちのライフスタイルを考え、どういった生活をしていきたいのかを考えているからこそだと感じています。
今、そしてこれからも、自分たちの生活スタイルを見つけていきながら、暮らし方を考えていきたいと思います。
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