断熱、遮熱、気密のこと
この記事は、2016年11月2日に公開したブログのアーカイブ記事です。
執筆:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)
こんにちは。
名古屋市や尾張旭市周辺でリノベーションの提案をしている株式会社SOWAKAの杉山です。
職人との会話「昔はこんなに暑くなかった」「昔はよく水道管が寒くて凍った」と季節ごとに今の環境とは違う話を聞く。
昔とは40年ほど前のことで、私が産まれた頃の事。
幼少期の私の記憶では夏は暑く冬は寒いとしか覚えていないので調べてみました。
私が産まれた年の1977年2月と8月を気象庁のホームページから検索をしてみると
1977年2月の氷点下になった日数は22日
2016年2月の氷点下になった日数は6日
氷点下の平均値も明らかに違う。
続いて、夏はどうでしょうか
1977年8月の30度以下になった日数は8日 35度以上は4日
2016年8月の30度以下になった日数は1日 35度以上は7日
やはり、夏も少し涼しかったようだ。
リノベーションの仕事をしていると築年数からどんな住環境かはすぐに想像ができる。
それは遮熱、断熱、気密技術の違いです。
現在は高気密高断熱の新築木造住宅も出てきているが、40年前の木造住宅といえば壁の隙間は無くなったものの断熱材などはほとんど使用しておらず、土壁に聚楽や繊維壁を塗って仕上げるパターンか、土壁に4mm程の化粧板を張って仕上げているかの場合が多かった。
高気密住宅でストーブを使用すると一酸化炭素中毒の危険があるっていう現代の建物も少し住みづらい気はするが、ストーブを使用しても暖まらない昔の家も住みづらいのかも。
また、外壁に付いている窓も大きく変わりました。
現代のサッシは気密性能が高いので遮音性にも優れていて、外からの音が窓を閉める事で遮断できてしまう。
また、サッシにはめ込まれている硝子も40年前とは全くの別物。
今ではペアガラスは当たり前となってLOW-Eガラスが登場し、天窓など暑くなる窓には熱線吸収ガラスを使用できる様になりました。
近年のリノベーションはデザイン性能が高く、築30年から50年の建物を改修しているケースがほとんどですが、オールドデザインに最新の技術が組み込まれていると素晴らしいですね。
トップの写真は屋根の塗装によって遮熱をする工法を用いた施工写真です。
高反射塗料によって熱が伝わりにくく建物内部の温度を抑える効果があるもので、塗る材料を変えるだけでもエコな住環境を手にいれる事ができる時代となりました。
高反射とするもののほか、熱エネルギーに変換する塗料など様々な技術革新があっての現代ですね。
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