家にお金をかけるべきなのか?

この記事は、2020年10月8日に公開したブログのアーカイブ記事です

執筆:杉山幸治(株式会社SOWAKA・一級建築施工管理技士)

こんにちは。

名古屋市周辺エリアで、リノベーションを通じて暮らしの提案をしている株式会社SOWAKA(旧杉工建設)の杉山です。

このタイトル、実は弊社の打合せではよく出る話題ですが、建設会社らしからぬキーワードかもしれません。

実体験での出来事

私は32歳の時に中古の一戸建てを購入してリファイニングをしました。

当時、長女はまだ2歳でした。

資金に余裕がなかった我が家のリファイニング工事は、全ての希望を盛り込まず、お金をかけるところ、無駄を省くところを夫婦で話し合い、実践しました。

5年後の37歳の時、少しだけ増築をして今の形へと家は成長。

中古住宅を購入する際、どうしても10年で返済をしたかった我が家。

結果、毎月の住宅ローン返済額が高くなってしまいましたが、子どもが小学生の間に完済しておかないとその先がお金がかかることを予想し、その当時は無理な選択をしたのです。

気づいたとき

会社も設立して間もなかった私は、365日のうち正月、GW、お盆休みの年間で、合計10日ほどしか休めるはずもなく、働き続けました。

それは40歳になるまで8年間続き、子育てや家事などは妻に任せっきりで、朝は7時に出て夜は23時か午前になってからの帰宅の繰り返し。

今年で長女は小5になりました。

子どもの運動会は打合せだったり出張で校長先生の挨拶と入場までしか見れず・・ 

プログラムは夜中にビデオ鑑賞(泣)

お陰様で仕事に恵まれたので今も会社があるのですが、40歳になる時に気付きました。

あれ? 

何のために生きているんだろう・・・

少しづつ変えていく

スタッフも増えて初めて新卒で新入社員を雇用した時に

「次世代の後輩にこの働き方を見せてはいけないし、させたくない」

設立する時に残業や休日出勤、休日返上が当たり前だった建設業界を変えたかったんじゃないの??

と自分に問いかけながら、まずは日曜日だけでも休む努力をしようと決めました。

あ、ちなみに従業員にはちゃんと休んでもらっているので、労働基準監督署は来ないでください。(笑)

会社役員ってのは毎日仕事をしていても毎日休んでいても、法律的には関係ないのです(泣)

「まずは日曜日だけでも」と動き出し、月のうち2日は休めるようになり、半年後にはたまに日曜日出勤する程度まで改善。

そして1年後には完全に日曜日は休みというのが定着できるまでになりました。

未だにウチの子は「次の日曜日は休み?」と聞く。 

「休みだよ」って答えるととても嬉しそうにしてくれる。

休みというものを自分に作って3年が経ち、週休2日や祝日は休みとかにはまだまだほど遠いのですが、日曜日は絶対に休ませてもらっています。

家族の時間

帰宅時間は相変わらず遅くなることが多いですが、一週間のうち決まった日曜日に休みを作ったことにより曜日が把握できるようになりました。(笑)

普通の会社員だと「有り得ない」って思うかもしれませんね。

しかし、メリハリができたので、帰宅をしてからも茶碗を洗ったり洗濯をする余裕ができました。

もともと、家事全般が好きだったので全く苦ではなく、実は楽しいんです。

それに「リノベーションを通じて暮らしの提案をしている」私からすると、疲れにくく無駄を極力少なくした家事動線やタスク&アンビエントな照明計画は、実生活の問題点をお客様に伝えることに役立っているのです。

そして、何より子どもとの時間がしっかりと取れている。

日曜日しか無いのかもしれない。

でも、月に4回もある、4回しかない貴重な休みを、朝から晩までしっかりと向き合えることがどれだけ幸せなことか。

これから家を造るひとへ

最初は予算が分からず、どんな家にしたいかも分からず始まる家づくりですが、ぼんやり分かってくると雑誌やインスタなどで色々な知恵が付いて「あれもこれも」欲しくなるのが人間。

それも大事なんですけどね。

分かります。

まずは家を買おうって決めた時の初心は家を所有してそこに住むのが目的ですよね。

これは不動産屋さんのお仕事。

その次にこの土地だったり建物でどう暮らしていこうかな??って考え始めて私たち建設会社の出番です。

だから毎月の支払いがきつくてローンの為に働くってオカシクナイ?

っていうのが私の理論。

夫婦共に仕事ばかりで、ローンのためにママもパパも休みなく働きづめという現実を背負っている人たちは、少なくありません。

私だってそうでした。

好きなテイストに囲まれていると頑張れるっていう方も多いけど、マイホームは家族が集まって団らんする場所があれば十分なのではないでしょうか。

暖かくて、涼しくて、静かで、安心をして住める家で、家族の時間があれば他は贅沢だと思う。

家づくりの基本は、まず造ることで生じる無理を測る。

そして、その無理をする為に頑張れる心と身体を休ませることができるかどうか。

弊社のリノベーション基本仕様は「暖かくて、涼しくて、静かで、安心に囲まれて」が改修面積×15万円位。

それだけで十分だと思う。 

それでも建坪が40坪の家で1,500万円から1,900万円もする。

新築だと同じ仕様で2,400万円くらい。

見た目だけで性能を良くしなければ、もっとお値打ちにはなる。

あえて言うならば、見た目だけなら弊社じゃなくて他の会社で施工した方がいいと思う。

見栄でインスタ画像の真似を盛りだくさんにするのがお洒落だと思う人もいるけど、見た目ばかりを追ってしまう現実があるとしたら、そんな事に費用をかけるなら家族で旅行に行ってきた方がいいと思う。

私たちはなるべくコストのかかりにくいシンプルデザインを提案をしています。

完成して家具も何も置かないはずはないので、引越しをしてからお客様側で色を入れてもらっています。

建物はどれだけでもお金がかかる。 

無理をして得るものより、身の丈に合わせて造った方が得るものも大きい。

シンプルデザインにシンプルな暮らしをするのが一番お金がかからない。

自宅や会社をリノベーションしたりした経験やお客様との家づくりを通して得た経験を基に、これから家づくりをする後輩に伝えられることは多いと思う。

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